コールセンター事例:東京海上日動火災保険様
代理店を支援するセンター運営に携わりお客様応対品質の維持・向上に貢献
東京海上日動火災保険株式会社
- インバウンド
- アウトバウンド
- 事務処理
- 金融
- コア業務への集中
- 応対品質向上
日本最初の損害保険会社であり、常に業界をけん引するリーディングカンパニーであり続けてきた東京海上日動火災保険株式会社様(以下、東京海上日動火災保険様)は、保険代理店の業務を支援し、お客様に自ら情報を発信する機能を持つアシストセンターを2007年に設立。以来、長年にわたりビーウィズと連携しながら、高く設定した応対品質水準の維持・向上に努めてきました。
Before
- お客様への応対品質を高い水準で維持・向上し、代理店を支援できる新センターを検討していた
- 自らお客様との接点を作り、契約手続き完了まで対応できる新センターを必要としていた
- 短期間で大規模な新センターの構築を希望していた
After
- 高い応対品質水準で、代理店業務を代行できる、アシストセンターを構築できた
- アシストセンターに、お客様との接点作りや契約手続き対応の機能を持たせることができた
- プロジェクト開始から4カ月で、大規模なセンター立ち上げを実現できた
導入の目的 : 応対品質の維持・向上のため、新たなセンター構築を検討していた
1996年の保険業法の改正により、保険業界には自由化の波が押し寄せました。それまではどの保険会社も、ほぼ同じ内容の保険商品を販売していましたが、自由化により各社が各様の保険商品を取り扱うようになりました。そして、独自の保険商品の開発が進み各社の競争が激しさを増す一方で、業界全体でお客様への応対品質にバラつきが目立つようになってしまったのです。
これまでもお客様への応対品質を重視してきた東京海上日動火災保険様は、この事態を憂慮していました。そこで、応対品質に対するお客様の期待に応えていくために、お客様に提供する商品・サービスに関する具体的な品質基準を「安心品質」として規定。その「安心品質」を順守しつつ、応対品質を維持・向上させていくための施策の1つとして、全国の保険代理店と協力しながら、応対品質の維持・向上に取り組んでいく新しいセンターの構築を検討していました。
また、検討を開始した2007年当時、一般的なコールセンターはお客様からの問い合わせを受け付ける、受け身の立場であることがほとんどでした。しかし、東京海上日動火災保険様は新センターには、自らお客様との接点を作り、情報を発信する機能を持たせたいと考えていました。
「当時の私たちは、お客様にとっていろいろなアクセス方法があるという意味の『マルチアクセス』という言葉を掲げていました。その実現に向けた活動の一環として、全国の保険代理店さんの代わりにお客様へ契約更新の手続きなどのご連絡をして、保険商品の内容をご説明し、契約締結の手続きまでご案内して、契約証券をきっちりお客様にお届けするところまで実施するなど、代理店さんと同様の業務を実行できるセンターを作りたいと考えていました。当時はかなりユニークだったと思います」(長瀬様)。
そして、東京海上日動火災保険様は新センター設立のため、パートナー探しを始めました。
選定のポイント : 大規模・短期間・新機能という要件に、唯一手を挙げてくれた
東京海上日動火災保険様は、お客様からのご期待にいち早く応えるため、数カ月後の新センター立ち上げを希望していました。しかも、規模としては10席や20席ではなく、より大規模なセンターの構築を計画していました。さらに、自らお客様との接点を持ち、情報を発信していく機能が必要でした。こうした要件のせいか、コールセンター設立運営を手掛けるさまざまなベンダーに相談を持ち掛けましたが、なかなか良い反応は返ってきませんでした。そのなかで唯一、手を挙げたのがビーウィズだったのです。互いに「挑戦」という企業理念を掲げる両社が、邂逅した瞬間でした。
「こういう主旨のセンターを、この規模で、短期間に立ち上げたい、という厳しいご相談をしたところ、唯一良い返事をいただいたのがビーウィズでした。しかも、当社にとって最適と思えるご提案もいただいたこともあり、2007年4月にビーウィズをパートナーとして選定するに至ったのです。新センターを『アシストセンター』と命名し、2007年8月には新宿センターを設立。翌年の2008年には長崎センターを設立しました」(小林様)。
現在アシストセンターは、東京海上日動火災保険様とビーウィズが連携して運営しています。センター内では、保険商品の解釈や規定についてなど、保険の専門的な部分は東京海上日動火災保険様が管理。センターの人材確保、電話が集中したときの負荷分散や、状況に合わせたオペレーターの適材配置などはビーウィズが担当しています。現場のSVやオペレーターが働きやすいように、東京海上日動火災保険様が支援しているイメージです。
また、複数名のビーウィズ社員が東京海上日動火災保険様へ出向し、会社内の情報を社員と同じスピードで受け取っています。ほかにも、アシストセンターの運営方針を決める会議には、ビーウィズからの出向社員も参加しています。さらに、予算の策定や作業計画など、アシストセンター運営の上流工程にも携わっています。
「外部の会社にお願いすると、顧客が依頼したことだけを実行するイメージがありました。しかし、ビーウィズからは当社に社員の出向もしていただいており、同じ社内情報を共有していますので、私の意見に対しても、「お客様のためを考えればそれは違う」と代案を提示してくれます。そこが通常の業務委託とは違うところです。また、当社の仕組みや会社の経営理念、企業文化も価値観も理解してくれていますので、次に何をすべきか、という話を進めやすい。だからこそ、11年以上も協力体制を継続できているのだと思います」(長瀬様)。
導入の効果 : 高い応対品質水準の実現を示す、輝かしい実績を残すことができた
アシストセンター設立から11年。お客様をずっと守ることができ、代理店の成長を支援し、自身も成長できたことが大きな効果だと、東京海上日動火災保険様は感じています。応対品質の水準を高めてお客様からのさらなる信頼獲得を図る、新規の代理店からの協力依頼も増えています。また、2つのアシストセンターがテレビ会議で毎日情報を共有することで、双方が高い応対品質の水準を維持・向上できています。
毎年アシストセンターのお客様を対象に実施しているCS(顧客満足度)アンケートでは、9割以上のお客様から「満足している」という回答を得られました。オペレーターの応対品質を競う、東京海上グループ内のコンクールでは、過去に2つのセンターからそれぞれ優勝者を輩出しています。さらに、東京海上グループにおけるコールセンターの運営品質基準で、最高品質基準を5年連続で獲得しました。このようにお客様への応対品質についても、高い水準を維持・向上できていることを示す、輝かしい実績を残すことができました。
「コールセンターでは、一般的にオペレーターの出入りが激しいといわれています。しかも、保険の仕事は覚えることが多く、入社から実務開始まで2~3カ月と期間がかかるのです。そうした状況のなかで、長崎アシストセンターには設立当初から在籍しているオペレーターが何人もいて、大きな力になっています。そうした人材のおかげで多くのノウハウを蓄積できたことも、大きな成果だと思います」(小林様)。
東京海上日動火災保険様は今後、現場のオペレーターが「将来はSVやASVになりたい」と、自らのキャリアパスを容易に描けるようなアシストセンターにしていくため、ビーウィズとの打ち合わせを始めています。現場の従業員の働く意欲を向上させ、定着率が向上させることが目的です。そうすれば、自然とお客様への応対品質もさらに向上すると考えています。また、アシストセンターの3カ年計画に合わせて、ダイバーシティーを推進していきます。これらの実現に向けて、東京海上日動火災保険様では引き続きビーウィズと連携しながら進めていく方針です。
両社の協力体制が11年間続くなかで、お客様のニーズは大きく変化しました。東京海上日動火災保険様は、当然それに合わせて変化していく必要があると考えており、ビーウィズにもこれまでと同じように、変化に合わせた柔軟な対応や的確な提案を期待しています。
お客様プロフィール : 東京海上日動火災保険株式会社
東京海上日動火災保険様は、1879年の創業以来、人々の「挑戦」を実現することで、より良い社会の創造に貢献してきました。現在では「新興国・途上国の発展」「産業のイノベーション創出」「企業の海外進出」「地方創生」といった、世界中の難題・課題の解決にまで、挑戦の領域を拡大しています。
会社名 | 東京海上日動火災保険株式会社 |
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所在地(新宿センター) | 〒163-1032 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワーC棟 32階 |
所在地(長崎センター) | 〒850-0033 長崎県長崎市万才町7-1 TBM長崎ビル 7階 |
設立 | 1879年8月 |
資本金 | 1,019億円 |
代表者 | 広瀬伸一 |
従業員数 | 17,483名(2018年3月31日現在) |
ビーウィズ担当者コメント
2007年から10年以上の長きに渡り、アシストセンターの運営をお任せいただき、東京海上日動火災保険様が定める「あんしん品質」の順守、かつ応対品質の向上に取り組んできました。
センター開設当初は、保険の経験者がほとんどいない中で試行錯誤の日々でしたが、様々なご支援を頂き、現在では当時のオペレーターが何人もSVとして活躍しています。次の10年に向けて、今後もより良いパートナーであり続けられるよう、全力を尽くしてまいります。