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コンタクトセンター事例:東京電力エナジーパートナー様インタビュー

電力自由化や運営拠点拡大を共に乗り越え
カスタマーセンターの安定運営に貢献

東京電力エナジーパートナー株式会社

  • コンタクトセンター
  • インバウンド
  • アウトバウンド
  • 公共・公益
  • センター運営企画
  • 業務効率化
  • 応対品質向上

東京電力グループの小売電気事業者・ガス小売事業者である東京電力エナジーパートナー株式会社様(以下、東京電力エナジーパートナー様)が、ビーウィズへのカスタマーセンター運営業務の委託を開始して、20年となりました。その間、電力・ガスの自由化をはじめ、諸種の出来事によって何度も変革が求められる中、どのような対応で時代の急流を乗り切ったのでしょうか。また、東京電力エナジーパートナー様とビーウィズはどのように信頼関係を築いていったのでしょうか。これまでを振り返りつつ、これからのビーウィズに期待することを、常務取締役の伊藤正二様にお伺いしました。なお、今回の聞き手は、当社CCOの竹川信之が務めます。

混乱期のカスタマーセンター運営を耐え忍びながら支え続け、徐々にシェアを拡大

東京電力エナジーパートナー株式会社
常務取締役
伊藤 正二 様
  • 竹川
    はじめに、20年間ご愛顧いただきありがとうございます。これまでのビーウィズについて、伊藤常務はどのような印象をお持ちですか?
  • 伊藤
    契約当初からカスタマーセンター内には活気があって、若々しくて一体感がありましたよね。私はその頃、東京電力が持っていたカスタマーセンターの子会社に出向していて、多摩の拠点で竹川さんや髙田さんのいるビーウィズとシェアを争っていた存在でした。ビーウィズのみなさんは、クライアントである東京電力の担当者から、本当にかわいがられていて。私はシェアを取るために、竹川さんのマネをすることもありました。
  • 竹川
    恐れ入ります。当社が三菱商事株式会社・ソフトバンクグループの合弁事業会社として設立したのが2000年。その数年後に貴社とのお取引をスタートできたことから、特に思い入れが強いのです。それ以来、貴社を大切にする思いは、担当する社員一同、脈々と受け継がれています。
  • 伊藤
    私としては、印象深い出来事が3つあって。1つ目は東日本大震災の直後です。あのときは、これまでのカスタマーセンター契約を競争入札で見直すことになりました。要件よりも価格を考慮せざるを得ず、これまで契約していたパートナー会社様が耐えられずに離脱されるケースが増えたのです。結果、業務に慣れていない新規参入業者に、カスタマーセンターを委託することが多くなりました。私は当時まだ出向中でしたが、東京電力社員の立場から主管部門に考え直すよう進言したものの、聞き入れてもらえませんでした。
  • 竹川
    私たちも担当者様に何度か提言しましたが、翻意はかないませんでした。当時は東京電力様の13拠点のうち3拠点のカスタマーセンター運営を受託していましたが、そのうち2拠点は価格競争で負けてしまいました。
  • 伊藤
    オペレーターが一人前になって良い成績が出せるまでには、当然ながら時間がかかります。価格を下げると、せっかく成長した優秀なオペレーターが離職してしまい、応対品質が保てないのは、私も同業でしたから痛いほどわかっていました。実際に東京電力のカスタマーセンターは、その後大混乱に陥ってしまったのです。しかし、ビーウィズは自社内の関係箇所に了解を取りつつ、1拠点だけは残っていただきました。本当にありがたかったです。
ビーウィズ株式会社
執行役員
CCO(Chief Customer Officer)
竹川 信之
  • 竹川
    3拠点のうち2拠点は失いましたが、2003年に取引をスタートしたときの原点である多摩拠点は、ビーウィズにとって思い入れの強い拠点なので、どうしても守ろうと社内で議論し決めました。東京電力様が再び活況を取り戻されたときに、価格のことは再考していただけばよいので、今は赤字でも構わないからがんばろう、という思いでした。
  • 伊藤
    そして、新規参入されたパートナー会社様は、金額面で無理していたからでしょうか、ほぼ1~2年で撤退されました。そうして空きができたカスタマーセンターの後任に、次々とビーウィズに入っていただいて。私がいくつかの職場を経て戻ってきたときには、東京電力のカスタマーセンターの多くをビーウィズが請け負っていました。明るく元気よく一体感があるカスタマーセンター運営を、長年変わらずに継続してくださったことが、結果につながったのでしょう。
ビーウィズ株式会社
ライフライン事業本部
本部長
髙田 亮
  • 竹川
    「出ていくベンダーがあれば、ぜひやらせてください!」と手を挙げて。人員を東京電力様に集中的に配置して、運命共同体となれるよう尽力いたしました。結果的にWin-Winといえるところまで、ご一緒させていただけたのではないかと思います。
  • 伊藤
    2つ目の出来事は、2016年の電力自由化、2017年のガス自由化です。これによってカスタマーセンターのオペレーションが、とても複雑になりました。例えば電気開通のご依頼の場合、希望日時をお客さまに伺うことに加えて「一緒にガスもいかがですか?」と、5~6倍のトーク量や知識が必要になったのです。オペレーションツール内のトークスクリプトをA3の紙で印刷してつなげてみたら、約30メートルの長さになりました。また、電力・ガス自由化により競争相手が増えたことで、市場に合わせて電気料金を変更することも増えましたので、オペレーターへの教育が大きな負担になったはずです。
  • 竹川
    確かにビーウィズとしても電力自由化、翌年の都市ガス自由化は大きな出来事でした。伊藤常務がお話しされたとおり、複雑化したオペレーションに対応すること、そして東京電力様のお客さまを維持し、新たにお客さまを獲得することが求められたのです。そこでビーウィズは3つのご支援をいたしました。それは、お客さまを獲得するアウトバウンドができる体制を構築すること、会話のリアルタイムテキスト化で成約率の高いトークスキルを分析し定型化すること、そして、インバウンドのお電話の中でガスの勧奨もおこなうスキームや専門の体制を構築することです。
  • 伊藤
    特にインバウンド、つまりお電話をくださったお客さまのご不満がないように、商品をおすすめする専門の体制は、販売サテライトセンターと呼んでいますが、今では当社のキラーコンテンツになっています。行き届いた教育も見事ですが、自然に話を持っていく知見もあり、オペレーター1人ひとりの気持ちも感じられます。一朝一夕にマネできないスキルで、他のベンダーが構築するのはなかなかに難しいと感じています。

20年間の継続的な支援と提案が評価され、2022年取引先表彰で優秀賞を受賞

  • 伊藤
    そして、3つ目の印象的だった出来事は、2019年10月に発生した台風19号の直後です。この台風の影響で記録的な大雨が降り、静岡県や関東甲信越、東北地方で大規模な河川氾濫や土砂災害が相次ぎました。管内では停電も発生してしまったのですが、交通機関が麻痺してしまったため、オペレーターがカスタマーセンターに出社できず、お客さまからのお電話に応答がままならない状態で……。これは当社のカスタマーセンターが関東近県の1都8県にしかなかったことが原因です。そこで急遽、カスタマーセンターを全国23ヶ所に増やすことにして、ビーウィズにさまざまな場所でのカスタマーセンター運営をお願いしました。
  • 竹川
    私たちにとっても、仙台や広島でのカスタマーセンター業務請負はこれまでに経験がなく、新しいエリアでのチャレンジでした。土地勘のない場所でどれだけ人材を集められるかなど不安もありましたが、何とか安定的な運営を実現できました。またクラウド型のテレフォニーシステム Omnia LINKを所持しているので緊急時など、短期間でセンターを立ち上げられることも、ビーウィズの強みの1つですから、それが発揮できて良かったです。
  • 伊藤
    本当にそのとおりで、ただ場所と人材を揃えることは、他のベンダーでもきっとできるでしょう。しかし、仕事内容をオペレーターに落とし込んで、当社のような監督官庁がいるという複雑な事情も理解してもらって。このようなカスタマーセンター運営に関わるさまざまな問題を解決する力が素晴らしいと感じています。
  • 竹川
    そうおっしゃる伊藤常務も、カスタマーセンターの安定稼働に尽力されていました。何度もカスタマーセンターに足を運んで、オペレーターにお声がけされて、現場のモチベーションアップに努めていらっしゃる姿に感服いたしました。
  • 伊藤
    いくら良い成績を収めているセンターでも、雰囲気がギスギスしていては、持続可能ではありません。安定稼働や品質向上には、現場のみなさんが気持ちよく働けることが重要ですから、私はできるだけカスタマーセンターの空気を実際に味わって、オペレーターの話を聞くようにしています。当社のカスタマーセンターの仕事は常に法律と隣り合わせで、少し間違っただけで特定商取引法違反や電気事業法、ガス事業法の違反に当たるケースもあるのです。特に先ほどお話しした販売サテライトセンターは、法律ととても近い距離で応対していますので、オペレーター1人ひとりのメンタルには、注意を払っていますね。
  • 髙田
    ビーウィズとしても法令遵守を第一に考えて、オペレーターには電気やガスはお客さまの生活や生命に関わる重要なインフラであることを、研修初日からしっかり意識してもらうよう伝えています。また、業務に慣れてくると処理がスムーズになる一方で、どうしても多少の油断が生まれがちです。そこで、定期的な面談や他社を含めたトラブル事例の周知など、事故予防に日々取り組んでいます。
  • 竹川
    そんな通常より複雑かつプレッシャーのかかる環境でがんばるオペレーターに感謝の気持ちを示すため、東京電力エナジーパートナー様では表彰制度やインセンティブのあるマイスター制度を設けてくださいました。
  • 伊藤
    がんばっているオペレーターにお礼が言いたかったのです。たくさんの電話に応答したオペレーターを表彰したり、拠点全体を表彰したり。両社で相談しながら手を替え品を替え、いろいろなオペレーターのみなさんに感謝の気持ちを示すようにしています。自拠点から表彰者が複数出たとなれば拠点全体が盛り上がりますし、隣のセンターが表彰されているから自分たちもがんばろう、という気持ちになるかもしれません。マイスター制度も同様で、引越しやアンペア変更、料金の問い合わせなど細かく細分化される業務を、1人で複数こなせる優秀な人をちゃんと表彰しようという思いで作りました。
  • 竹川
    ただKPIを守れば良いというビジネスライクな関係ではなく、社員を人として成長させていただけるお付き合いを20年続けていただいて、本当に感謝しています。そして、オペレーターだけではなく、私たちビーウィズ全体も、東京電力グループ様の事業に貢献したということで、2022年取引先表彰の優秀賞をいただきました。本当にありがとうございます。
  • 伊藤
    これは、3年前に燃料費の高騰に伴う値上がりを実施したのですが、各事業のさまざまなパートナー会社様に、調達費用の協力をお願いした際の対応を評価したものです。そのコスト面での貢献に加え、品質は下げることなく、さらにこうすればもっと効率化できますというご提案までいただきました。そのことを、一定の評価基準で選考した結果、東京電力グループ内の各会社が取引している全パートナー会社様の中から、ビーウィズが選ばれました。
  • 竹川
    受賞の知らせを聞いて、社内は驚きと喜びで沸き立ちました。多くの人々の生活を支える東京電力エナジーパートナー様から感謝の言葉をいただき、非常にありがたかったです。20年の間にさまざまな取り組みや、品質を上げる努力をしながら、ここまで積み重ねてやってきたことが報われた瞬間だったと思います。

顧客満足に向けたDX化を実現するため、これからも「スピードと対応力」で尽力していく

  • 竹川
    今後カスタマーセンターについては、どのような方針で運営されていく予定でしょうか?
  • 伊藤
    今期は経営状況が安定してきましたので、今一度お客さまと向き合って、より満足していただけるよう施策を考えていきたいです。今、1人のお客さまとのお電話は長くなりがちで、ときに数十分かかることがあります。これはほとんどのお客さまにとって想定外でしょう。これはできるだけ短縮していかなくてはいけません。また、当社とお客さまをつなぐチャネルは、現在電話やWeb、チャットがメインですが、今後はSNSを活用してスマートフォンからのお問い合わせをもっとスムーズにするとか、生成AIを活用して応答の効率化を図るとか、さまざまな計画を立てています。
  • 竹川
    東京電力エナジーパートナー様へのお問い合わせは、内容の幅が広くて深さもあり、1件ごとに時間がかかってしまうのは仕方がない部分もあります。しかし、お客さまの要求とかけ離れた状態では、満足度は下がってしまいます。ビーウィズとしては、現在取り組んでいる在宅カスタマーセンターを筆頭に各種ソリューションのご提供や、お客さまの要求との乖離を埋めるためのDX化のご要望に、しっかり寄り添っていく方針です。
  • 伊藤
    机上で作った業務設計だけでは、うまくいかないこともあります。しかし、ビーウィズはお願いした要件に従うだけではなく「目標達成のためには、もっとこうしないとダメです」とか「こういう部分が弱いので強化しましょう」というように叩いて鍛え上げてくれるのです。おかげで、依頼した業務が安定して伸びていきます。もう不可分な関係といいますか、無茶なことをいうクライアントだと理解しながら、長く一緒にやってきていただいていることは、本当にありがたい。ですので、これからはカスタマーセンター業務に加えて、挑戦的なプロジェクトでも、ぜひご一緒してもらいたいと考えています。
  • 竹川
    これまではビーウィズの特長である「スピードと対応力」で、東京電力エナジーパートナー様のご要望に応えてきたつもりです。その点は今後も変わらずに継続させていただきます。さらに、DX化で新たな挑戦をしていくことについても、社内のさまざまなナレッジを集結して対応していく所存ですし、採用力強化のための在宅受電も強化していきます。これからも優れたパートナー関係を構築していくため、できる限り尽力していきます。

お客様プロフィール:東京電力エナジーパートナー株式会社

東京電力エナジーパートナー様は、東京電力グループの基幹事業会社であり、電気とガスの販売をおこなう小売事業者です。一般家庭や法人に向けて電気やガスを供給するというメイン事業に加えて、エネルギーサービスの良きパートナーとなることを目指し、信頼性のある各種サービスを提供しています。また、環境法令などの遵守はもちろん、エネルギー事業者ならではの多様な事業展開を通じて、未来に向けて持続可能な社会の実現に貢献しています。

会社名 東京電力エナジーパートナー株式会社
所在地 〒104-0061
東京都中央区銀座八丁目13番1号 銀座三井ビルディング
設立 2015年4月
資本金 2,600億円
代表者 長﨑桃子

ビーウィズ担当者コメント

2003年のお取引開始から、20年にわたり当社をパートナーとして選定していただいております。電力業界の進化と共に、弊社もサービスの高度化を図って参りました。
今後もご期待に応え続けられるよう、安定運営と共に、未来に向けたDX化の推進など、共にチャレンジして参りたいと考えています。

執行役員 CCO 竹川 信之
ライフライン事業本部 本部長 髙田 亮

導入サービス

コンタクトセンター運営に必要とされる4つのマネジメント手法を元に、継続的な改善につながる「正のサイクル」を構築し、企業の収益向上に貢献します

幅広い領域のインバウンドセンターを、適切な応対品質で運用します

Bewith Digital Work Placeは、ビーウィズが培ってきた20年間のオペレーションノウハウとPlanning(企画力)を組み合わせ、自宅でもオフィスでもデジタルインフラをつなぐことで、安定した品質をご提供する、新しいBPOサービスです

チャットシステムの導入から運用までをトータルで支援