コールセンターにおけるオペレーターの作業負荷軽減やスーパーバイザーの管理業務を効率化できるトータルテレフォニーソリューション「Omnia LINK(オムニアリンク)」。開発セクションの安藤智と、外販担当の営業マネージャーである土屋進之介が、「Omnia LINK」プロジェクトの秘話や、その革新的なシステムの未来を語ります。
プロジェクトストーリー3
コールセンターを効率化する
「Omnia LINK」
自社開発システムの外販開始で、
見えたビーウィズの未来
-
安藤智
事業推進本部
プロジェクトマネージャー -
土屋進之介
営業本部 第1営業部
第2ユニット
シニアマネージャー
現在のお仕事内容や「Omnia LINK」との関わりを教えてください。
安藤ビーウィズにはコールセンターのスタッフとして入社し、マネージャー職などを経て、現在は「Omnia LINK」にまつわる開発の進行や運用管理などを担当しています。「Omnia LINK」は、コールセンターでの電話の受発信や録音、消費者との会話を、音声認識機能を使って文字として記録するなど、さまざまな機能を備えた電話交換システムで、ビーウィズがアイブリット社とともに独自開発したものです。こうした先進的なシステムに興味はありましたが、文系出身ということもあり、技術的なことにはまったく詳しくありませんでした (笑)。
土屋私は、営業本部のマネージャーとして主にコールセンター業務の提案営業をしています。「Omnia LINK」は、もともとビーウィズのコールセンター業務の効率化や、機能の拡充を考えて開発されたシステムですが、他社のコールセンターでも使ってもらう外販プロジェクトを立ち上げています。ビーウィズには、コールセンターに関するサービスの提案・販売するノウハウはありますが、モノを売るノウハウや経験はありませんでした。そのため、どうすればお客様に興味を持っていただけるのかわからず、当初は手探りの状態からのスタートで苦労しました。
安藤外販に踏み切ることもそうですが、当社のようなコールセンターのアウトソーサーがシステムを開発すること自体が大きなチャレンジでした。文系の私もシステムに関する専門的な知見が少ないまま、開発グループに抜擢されましたし(笑)。ただ、これまでの業務経験の中で多様なシステムを利用・運用してきた経験が、オペレーターが使いやすく、欲しい機能が搭載されていて、作業効率も上がる電話交換システムの開発に役立つはずだという自負はありました。
そもそも、どのような経緯で
「Omnia LINK」を自社開発することになったのでしょうか?
安藤コールセンターの電話交換システムは、海外製の製品が大きなシェアを占めています。既存の海外製の電話交換システムは、オペレーターやスーパーバイザー、さらにはシステム担当者の視点から見ると非機能的な面もあり、かつ機能の進化や追加が思うようにならないという問題を抱えていたのです。しかも、それは非常に高価であるという問題も抱えています…。自社で開発すれば、電話と音声認識機能を連動させるなど、オペレーターの作業効率を大幅にあげることの機能追加も可能です。
土屋より良いコールセンターや対応業務を実現するために、より効率的な電話交換システムがほしい。そんな考えが「Omnia LINK」の開発につながっています。
安藤ビーウィズが「Omnia LINK」の開発に着手したのは数年前のこと。そのとき導入していた既存のシステムがちょうど契約の更新時期を迎えていたこともあって、社内では「電話交換システムをどうするか」という議論が熱を帯びていました。当初は更新で話がまとまりそうだったのですが、ちょうどそのタイミングで、アイブリットとの協業が始まり、自社でシステムを開発するという道が見えてきたのです。
土屋その後、話は急速に進み、システムを自社開発することで話がまとまりました。そして約9カ月の開発期間を経て、電話の受発信や録音、お客様との会話のリアルタイム記録作成など、コールセンター業務に必要なさまざまな機能を加えた「クラウド型IP-PBX」の「Omnia LINK」が完成したのです。
安藤「Omnia LINK」が導入されてからは、稼働後は目に見えてコールセンターの作業効率が改善されました。
自社で成果が出たことで、すぐに外販のプロジェクトが立ち上がったのですか?
土屋外販プロジェクトの立ち上げには戸惑いもありましたね。外販に向けての社内体制が完全に整備されておらず若干タイミングが早すぎるのではないか、と(笑)。そのクオリティーの高さは十分に理解していましたが、実績はビーウィズ社内だけでしたから、どうすればお客様に興味を持っていただけるかがわからなかったですし、技術的な質問をいただいたときの回答にも自信がありませんでした。プロジェクトに関われることに対するモチベーションはありましたが、大きなチャレンジが必要な話だなと思っていました。
安藤開発側の私たちも、早いとは思っていました。
土屋初めてお客様への導入が決まったのは、2016年の年末。私がお客様にコールセンター業務の提案をした後の何気ない会話がきっかけとなってのことでした。雑談で「現在弊社では、こんな電話交換システムを使っているんですよ」というお話をしたところ、「詳しく聞かせてほしい」と興味を持っていただけたのです。
安藤私も開発側の人間として、後日一緒にご説明に伺いました。
土屋お客様はちょうど、他のシステム会社と電話交換システムの更新の商談を進めていたのです。そうした中で、私たちの提案が魅力的に映ったのは、ビーウィズならコールセンター業務に詳しく、細かいカスタマイズの要望にも対応できるだろう、対応のフットワークも軽いだろうという判断があったからだと思います。
安藤私は、システム会社や電話機器のメーカーではない、アウトソーサーであるビーウィズのシステムということが新鮮だったことも、結果を後押ししたと思っています。
土屋2017年2月に商談がまとまった時点で、6月1日の本稼働が決定していて、すぐに社内での納品作業に移行しましたが、安藤さんたちは時間もなく大変だったのではないですか?
安藤何しろ初めてのことですから勝手がわからず戸惑いも多かったです。システムをお客様の仕様にカスタマイズする作業は、結構大変です。電話を保留にしたり、転送したりする手順も、会社によって微妙に異なりますから。結局、お客様からカスタマイズを求められた項目は40~50に上りました。納品までにもう少し時間がほしかったのが正直なところです。
「Omnia LINK」がこれから進むべき道と、必要な対応とはどのようなものですか?
安藤「Omnia LINK」の外販に成功して、事業をこのまま進めても問題ないことが確認できました。これからは新しい技術の開発、現行のシステムの改善・レベルアップ、「Omnia LINK」で収集できる多様な情報の活用に力を入れたいと考えています。すでに研究・実験室である「データサイエンスルーム」を社内に設置し、新しい技術の研究や情報の分析などに当たる準備が整っていますし、AIを活用した「機械学習」の研究も進めていきたいですね。
土屋外販の実績ができたことは貴重ですし、ビーウィズとして自信が生まれたと思います。営業的には、実績はお客様への説得力にもなりますから、まずはお客様に「Omnia LINK」を知っていただきたいと考えています。これからも、コールセンターの運営品質を向上させるための機能がリリースされますから、プラスαの提案ができるようにしたいです。
安藤これからリリースされるのは、seekassistといって、お客様からの質問に対して、FAQ(よくある質問と回答)を自動で検知し、回答例を画面に表示させるという機能です。これが実現されると、コールセンターのオペレーターにとってはとても心強い機能となるはずです。「Omnia LINK」をコールセンター事業に次ぐ柱にするためには、そうした機能を追加して、お客様や消費者のニーズに応えていく必要があるはずです。
土屋ビーウィズは今、新しい事業や社内改革にチャレンジしていて、ダイナミックに変革しているところです。仕事の進め方は現場に任せるのがビーウィズのスタイルで、伸び伸びと働けるのがメリット。今後もますます「Omnia LINK」の販路を拡大していきたいので、ビーウィズで一緒に成長していける人材と出会えることも、重要になってくると思います。
安藤チャレンジできることに加えて、失敗に寛容というのがビーウィズの特性です。営業も技術系の仕事もトライアンドエラーを繰り返すことで、スキルを進化させていくことができます。これから増えるであろう社員には、失敗を恐れずにどんどんチャレンジしていってほしいですね。
安藤智
コールセンターのスタッフとしてビーウィズに入社。マネージャー職などを経て現在は、グループ会社に出向しながらOmnia LINK開発の進行・運用管理を担当している。
土屋進之介
営業本部シニアマネージャー。Omnia LINK外販プロジェクトの最先鋒として最初の外販実績を記録した。