岡山県南部の倉敷市・玉野市・総社市・早島町・岡山市南区の一部を対象エリアとし、ケーブルテレビを主な事業としている株式会社倉敷ケーブルテレビ様(以下、倉敷ケーブルテレビ様)。現在は、インターネット事業と固定電話事業を加えた3つのサービスを通じて、地域のお客様の豊かな暮らしに貢献しているほか、災害発生時のライフラインとしての役割も担っています。その倉敷ケーブルテレビ様では、お客様からの様々なお問い合わせに対応するコールセンターにおける、業務状況の可視化や業務効率化などを実現するため、2023年11月に「Omnia LINK」を導入しました。
導入の目的
業務効率化・業務状況把握のため、コールセンターシステムの導入を検討
倉敷ケーブルテレビ様は、ケーブルテレビの放送事業に加えて、インターネットと固定電話という2つの通信事業を加えた3つの柱で事業を展開されており、「地域とずっと。あなたともっと。」というスローガンの通り、地域のお客様に密着したサービスを提供しています。また、同じ地域の他メディア2社と連携して「倉敷コミュニティ・メディア」を結成し、地域情報や災害時の文字情報などを届けるチャンネルを運営しています。
「当社では『KCTコミちゃん』という倉敷・総社・玉野・早島エリアの地域情報をお届けする自主放送チャンネルを運営しています。また、2018年に発生した「西日本豪雨 (平成30年7月豪雨)」では、長時間にわたって記録的な大雨が降り、河川の氾濫や浸水、土砂災害などが広範囲で発生しました。このとき倉敷市が大きな被害を受けたことから、当社は災害情報チャンネルにも力を入れ、各エリアの自治体と災害情報協定を結び、公共交通の運行情報や河川の水位情報などの文字情報をお伝えしています」(樋上様)
株式会社倉敷ケーブルテレビ
取締役
カスタマーセンター長
樋上 康宏 様
ほかにも、フィットネスクラブ運営や通信機器レンタルなど、地域の人々にとって有益なサービスを提供しています。そんな倉敷ケーブルテレビ様では、より多くの人々に自社のファンになっていただき、各サービスを長く使っていただく上で、各種問い合わせを受け付けるコールセンターはお客様との重要な接点であると考えています。しかし、これまでは顧客満足度を向上させる施策に、思うように取り組めていなかったそうです。
「お客様は何かお困りごとがあって架電していますから、しっかり受け止めて解決することが基本です。ただ、以前はビジネスフォンを用い、メンバーも少数精鋭だったため、タイミングによっては受電できずフロアの電話が鳴り続ける状況でした。また、オペレーターが通話の録音データを聞き直したくても、管理者しか録音データを聞けず、そのつど管理者に依頼するという手間も発生していました。加えて、データ抽出が入電数と受電数に限定されており、センターの状況を把握するにはデータが不十分でした」(樋上様)
解約防止も課題でした。コールセンターでは解約の電話も受け付けますが、オペレーターが解約を翻意させることは容易ではありません。以前のコール内容から解約の兆候を探ろうとしても、既存のビジネスフォンでは得られるデータが限定的で、分析が困難でした。そこで、2022年の秋頃からコールセンターシステムの導入に向けて、徐々に情報収集を開始しました。
選定のポイント
相談しやすさ・サポートの手厚さ・使いやすさで「Omnia LINK」を選出
まずはインターネットで検索し、さまざまなベンダーに資料を請求する一方、コールセンター関連のイベントにも参加し、直接ベンダーの話を聞いて回ったという倉敷ケーブルテレビ様。少しずつ製品とベンダーを絞り込んでいき、最終的な候補として残った4製品について独自の比較表を作成し、自分たちがやりたいこと、それを実現するための機能、そしてコストはどのくらいかを明確にしていきました。結果、一番欲しいものが詰まっていて、費用も問題なしとして選ばれたのが、ビーウィズの「Omnia LINK」でした。
株式会社倉敷ケーブルテレビ
カスタマーセンター
顧客サポート課 課長
石原 和仁 様
「標準的な機能は各社そこまで差がなかったのですが、他社は『ここからオプションです』『この機能は別会社を紹介します』といったケースが多かったのです。ビーウィズはそうした煩わしさがなく、相談しやすさがありました。また、レスポンスがとにかく早かったです。自分たちがシステムに詳しくないため、サポートの手厚さを重視していました。そして、現場のオペレーターからは『Omnia LINK』のユーザーインターフェースが、直感的で使いやすそうという意見が多かったことも、選定の決め手になりました」(樋上様)
ほかにも「ビーウィズが実際にコールセンターを運営していて、そこで得た知見に基づいて設計しているからこそ『Omnia LINK』には安心感があった」と樋上様は話します。そして、2023年春から開始したシステム構築期間では、ビーウィズがしっかりとスケジュールを立てて、チームを組んで着実に対応したことで、終始スムーズに進行できました。
「お客様のご用件が通話前にわかるといいな、待ち人数がわかるといいな……と、これまでビジネスフォンを使用しながら考えていたことが『Omnia LINK』は実現できます。加えて、構築期間中の定期ミーティングでは、当社から『このようなことはできますか』と相談したことを実現していただいたり、ビーウィズの技術担当者から、より良い機能や使い方などを提案いただけました。スケジュールや進行はもちろん、内容についても非常に満足度の高いシステムを構築していただいたと感じています」(石原様)
導入の効果
センターの業務状況が可視化されたほか、オペレーターの業務も効率化できた
倉敷ケーブルテレビ様が「Omnia LINK」を使い始めたのは、2023年11月のことです。本格稼働から数カ月と日が浅いため、まだすべての機能を使いこなしている状況ではありませんが、すでにシステム導入の効果を実感しています。
「何人のお客様がお待ちなのか可視化されたことで、あとどのくらいで待ち呼がなくなるのかがわかるようになり、私を含めたオペレーターは頑張ろうと奮い立つきっかけになり、現場としては助かっています。また、お客様との通話内容が自動でテキスト化されますので、メモに追われることなくお客様対応に集中できます。ほかにも、以前は管理者である私しか通話の録音データを聞き直せませんでしたが、今は各オペレーターが必要なタイミングで自由に録音データを聞き直せるので、応対内容の抜け漏れを防止でき、安心して対応できるようになったと思います」(石原様)
「フリーダイヤルを含む電話の費用、通信費も約20%削減できました。これは当社がもともと通信キャリアの標準的なプランで契約していて、そのまま見直すことなく使い続けていたため、このような大きな数字となったという背景もあります。しかし、こうしたムダの多い部分に気づいて見直すことで利用開始1カ月目から削減効果が出たことは、ビーウィズというパートナーを得たことのメリットだと感じています。システムを新規導入したことで、費用が上がっている部分もありますが、代わりに通信費が下がっているので、ありがたいです」(樋上様)
業務状況の把握や業務効率化が進み始めた倉敷ケーブルテレビ様では、今後さらなる「Omnia LINK」の活用を目指しています。特に活用したいと考えている機能の1つが、対話内容に合わせてAIがFAQ候補を自動表示する「seekassist(シークアシスト) 」です。
「当社のコールセンターは、3事業のお問い合わせに対応する必要があり、新しいオペレーターを育てる際に、しばらくの間は横に先輩が立って教える必要があると考えています。ただ、 seekassistを活用すれば、どのような回答が的確か、新人オペレーターでも気づきやすくなります。ベテランの経験を共有しやすくなるので、より短い期間でオペレーターとして独り立ちできるのではないか、と期待しています」(石原様)
倉敷ケーブルテレビ様では、これからもコールセンターでの顧客満足度を向上させ、より多くの人々に自社のファンになっていただくと同時に、できるだけ解約数を減らす取り組みを続けていく方針です。ビーウィズには、その目標に向けて伴走してくれるパートナーであることを期待しています。
「今後も新しい機能を開発し、提案いただけるとありがたいです。生成AIの要約機能はとても面白いと思いますし、今後活用していきたいです。当社が希望する『解約の兆候を察知するようなコール内容の分析』についても、AIを活用して実施可能にしていただけることを期待しています。また、オペレーターの教育についても、ビーウィズがコールセンター運営で培った知見を盛り込んだ、教育プログラムなどを制作していただけるとうれしいです」(樋上様)