北海道内を中心に約200店舗のドラッグストア「サツドラ」を展開している、株式会社サッポロドラッグストアー様(以下、サッポロドラッグストアー様)。お客様にとっての生活インフラになるため、繁華街や駅ビルなどに立地する都市型店舗、郊外型店舗・調剤併設型店舗、インバウンド対応店舗など、地域の特性やお客様の暮らしに合わせた店舗作りを進めています。そして2023年11月に、お客様から各店舗に向けたお問い合わせの電話を集約して受け付けるコンタクトセンターで、業務効率化やお客様満足度の向上、業務状況の可視化などを目指して「Omnia LINK」を導入しました。
導入の目的
新規事業創出に向けて、コンタクトセンターという顧客接点を最適化したい
『北海道の「いつも」を楽しく』をコンセプトとしているサッポロドラッグストアー様は、日々寄せられるお客様からの声に親身に対応することはもちろん、その内容をくみ取って店舗運営に活かす努力を続けています。そのお客様の声が多く集まるのは各店舗ですが、スタッフが1人ひとりのお客様からお話を伺うのと、毎日の業務を両立するのは容易なことではありません。そのため、店舗にかかってきた電話については、本社内に設置したコンタクトセンターに転送して、そこで一括して受け付ける体制を整えています。
「以前は、お客様から店舗にかかってきた電話を店舗のスタッフが受けていたのですが、店舗や時間帯によっては少ない人数でオペレーションに当たっており、電話に出られないこともありました。特にコロナ禍では、マスクの在庫を確認する電話が鳴り止まず、通常業務と電話対応を切り離すことが必要でした。そこで、電話対応はコンタクトセンターに集約することにしたのです。店舗のスタッフが目の前のお客様と通常業務に集中できる環境を作り、電話のお客様のご要望にはオペレーターが対応することで、最適な顧客接点を作りたいと考えています」(岩村様)
株式会社サッポロドラッグストアー
ダイレクトマーケティング事業本部
コンタクトセンター
ゼネラルマネージャー
岩村 俊吾 様
コンタクトセンターでは、オペレーターが全国約200店舗にかかってくる電話に対応していますが、この体制を構築した当初は固定電話で対応していたため、入電件数や応答率、対応時間などの数値がわからない状況でした。明確な数値がわからなかったことで、改善に向けたアクションも感覚的なものになっていたといいます。また、オペレーターの応対でも、お客様満足度に影響する問題を抱えていました。
「現場のオペレーターが一番困っていたのは、店舗にかかってきた電話を転送して受けることの弊害です。もともとお客様がどこの店舗にかけた電話なのかが、わからないのです。お客様はわざわざ番号を調べてかけてくださったのに、こちらから『何店におかけですか?』という確認が必要なオペレーションでした。怪訝な雰囲気になることも、少なくありませんでした。そこで、どの店舗への入電かを事前に確認したいと考えていました」(岩村様)
こうした問題の解決に加えて、お客様の声をくみ取って今後の事業拡大を見据えた準備を進めていくためにも、サッポロドラッグストアー様はコンタクトセンターという顧客接点の改善を決断。その手段として、コールセンターシステムを導入することにしたのです。
選定のポイント
欲しい機能をバランス良く備えていたこと、柔軟なサポートが決め手に
固定電話による電話基盤の刷新に向けて、サッポロドラッグストアー様がコールセンターシステムを探しはじめたのは、2023年1月のことでした。もともとコールセンターベンダーでの実務経験があった岩村様が中心となってシステム検討を進め、記録可能な数値・在宅対応の可否・CRMの連携・導入サポート・オペレーターと管理者それぞれの使いやすさなどのポイントで比較。絞り込んだ8社の候補の中から、最終的に「Omnia LINK」を選定しました。
株式会社サッポロドラッグストアー
ダイレクトマーケティング事業本部
コンタクトセンター
マネジャー
柿岡 崇文 様
「欲しかった機能をバランス良く持っていたのが『Omnia LINK』でした。個人的には管理者側のUIが競合製品と比較して、一番使いやすかったと感じています。また、固定電話の番号は変えない、ボイスワープは外さないという要件を提示していたのですが、各社の対応はバラバラでした。ただ、ビーウィズだけは早いタイミングで、サポート範囲内であることを明確に回答いただき、検討しやすかったです」(岩村様)
こうした手厚いサポートは、システムの導入期間にも続きました。オペレーターが初めてOmnia LINKで電話を受ける日にはビーウィズ社員が現地で立ち会い、稼働後も天候に合わせた都度の営業時間変更のガイダンス作成等も、迅速かつ柔軟なサポートでサッポロドラッグストアー様を支援しました。
「今、導入期間を振り返ってみても、本当に手厚く導入サポートをいただいたおかげで、特に苦労した場面はなかったと思います。本稼働の日には、オペレーターからの質問がたくさん出ると予想していましたが、ほぼありませんでした。そして、全国の約200店舗分の設定ですので電話の転送先が違う事態も何件かあるだろうと予想していたのですが、それもありませんでした」(柿岡様)
導入の効果
通話終了後の処理にかかる時間を1件あたり約9秒短縮
サッポロドラッグストアー様では、2023年11月から「Omnia LINK」を使用しはじめたことで、オペレーターの応対状況がリアルタイムで把握できるようになりました。その結果、Omnia LINK導入前には8割程度と想定していた応答率が、実際には約6割だったことが判明し、以降の的確な改善アクションにつながりました。自分たちの取り組みの現状がわかり、必要な手を打てるようになったことは、非常に大きなメリットだと感じています。
「導入前の一番大きな問題だった、入電した店舗名も事前にわかるようになり、オペレーターもスムーズに応対を開始できています。また、STT機能(通話音声の即時テキスト化)はオペレーターから非常に好評です。これまではずっとメモを取りながらの応対となり、通話終了後に結局この電話の要点は何だったのか悩むことが多かったのです。しかし、今は最低限のメモでよくなり、STT機能で通話を振り返って要約して、以降の対応を各店舗に引き継ぐことが容易になりました。録音データを聞き直すことができますので、商品の数量や商品コード、お客様のポイントカード番号も簡単に確認できます。お客様にこちらから聞き返す回数が少なくなり、私たち管理者へのエスカレーションも減ってきていると感じてます」(柿岡様)
実際にオペレーターが、通話後にお客様からの依頼内容を要約して、記録を残し、店舗に伝える作業が効率化できていることは、数字にも表れています。2024年1月と2月の比較では、ACW(アフターコールワーク)にかかった時間が3%、時間にして1件あたり約9秒短縮できました。これは年間を通して考えると、とてもインパクトのある効果といえます。
「自分たちが『これだ』と思って取り組んだことが、確実に数字で出てきますので、今回はこうして時間が短くなったとか、効果が想定よりも高かったとか、日常的に議論できるようになりました。オペレーターからも『次はこうしてみよう』という自主的な意見も出るようになり、驚いています。取り組みの効果や評価の指標が明確に見えるようになったことで、コンタクトセンター全体に良いサイクルが生まれています」(柿岡様)
コンタクトセンターのミッションには、お客様の生の声を経営陣に届け、経営に生かすことも含まれていますが、それが仕組みとして実現できるようになったことも、高い評価を得ています。「Omnia LINK」を着実に活用しはじめているサッポロドラッグストアー様では、今後CRMやBIとの連携も視野に入れていて、さらにお客様に満足していただける応対を追求していきます。
また、サッポロドラッグストアー様では今後、業務とコンタクトセンターの拡大を計画しています。オペレーターを増員すれば、応対品質に経験による差が生じてしまうことは避けられません。そこで、Omnia LINKのAI-FAQシステム「seekassist(シークアシスト)」を活用して、経験が浅いオペレーターを支援し、応対の標準化をはかっていくことを検討しています。こうした思いを実現させていくために、ビーウィズにはこれまでと変わらないサポートを期待しています。
「ビーウィズには、これからもコンタクトセンターのプロフェッショナルの立場で、当社コンタクトセンターの運用面にまで踏み込んでいただいて、品質向上や業務改善に向けた提案をいただきたいです。これから業務の拡大が予想される中で、ビーウィズにはトータルでサポートいただけますと助かります」(岩村様)