アフリカ南部に自生するマルラの木の実から採れるマルラオイルを中心に、スキンケア商品やメイクアップ商品を販売している株式会社ヴァーチェ様(以下、ヴァーチェ様)。自社で運営していたコールセンターでの応対状況のリアルタイム把握、コロナ禍での業務継続といった問題解決のため、2022年より「Omnia LINK」を導入。受電状況をリアルタイムで把握できるようになり、オペレーターが次に何を優先して行動すべきかが、すぐにわかるようになりました。
導入の目的
「つながる」と「寄り添う」の両立のため、現状を把握できる仕組みが必要だった
ヴァーチェ様の主力商品であるマルラオイルは、全国主要都市の小売店で取り扱いがありますが、売り上げの多くを占めているのは、Webサイトや電話を介した通信販売です。お客様の年齢層は幅広いものの、比較的高齢のお客様も多いことから、電話は非常に重要なチャネルととらえていて、顧客満足や営業機会創出という点からも注力しています。
「通信販売の売り上げの中でも多くを占めているのが、お電話での注文によるものです。新聞・ラジオのほか、食品やアパレル通販での同梱広告といったプロモーションとの相性が良かったことから、お電話が通信販売のメインチャネルになりました。お電話をくださったお客様に対して丁寧に応対することは、お客様満足度の向上につながりますし、結果として売り上げ向上にもつながります。私たちはこれからも電話というチャネルを大切にしたいと考えています」(藤原様)
ヴァーチェ様は、お問い合わせに対応するコールセンターを自社内に設置し、電話口に美容部員がいるかのような「寄り添う姿勢」で、お客様からの疑問や質問に答えています。そこで重視しているのが応答率であり、目指しているのが「つながるコールセンター」です。商品がほしいお客様をお待たせすることなく、いつでも電話に対応できることを理想としています。一方で、他社のコールセンターとは異なる要素も重視しています。
「当コールセンターでは、オペレーターにもっと通話時間を短くして、次の電話に出なさいなどの指示はしていません。効率化も重要ですが、当社が優先しているのは、しっかりお客様のお話を伺って『電話して良かった』と感じていただくことです。お客様満足を重視することが、より良い結果につながると考えています」(竹本様)
期待されている言葉や応対を的確に実施することで、お客様に寄り添おうとする姿勢が、購入を後押ししていることは間違いありません。このように「つながる」と「寄り添う」の両立を目指すヴァーチェ様ですが、以前は一般電話で対応していたため、瞬間呼のとき実際はどのくらい入電があり、本来はどのくらい受電すべきなのか把握できていませんでした。そのため、繁閑の予測を踏まえたシフト調整などが困難でした。
また、2020年に深刻化したコロナ禍により、どのような手段でコールセンター業務を継続するか判断を迫られました。最初はスマートフォンを配布して自宅でも受電可能にしましたが、通信品質が不安定になったり、対応のパフォーマンスが落ちたりと、お客様にご迷惑をおかけする場面もありました。呼量など数字の把握も難しくなったことから、やはりクラウドPBXが必要だという結論に至り、急いで検討に入りました。
株式会社ヴァーチェ 代表取締役 藤原 友香 様
選定のポイント
「Omnia LINK」なら、希望していた要件がすべて実現できることが決め手に
そこから、クラウドPBXについて調べて提供元に問い合わせたり、展示会に参加したりするなどして、候補を3社に絞ったヴァーチェ様。オペレーターの状況をリアルタイムで把握できることや、リモート環境でコールセンター業務を継続できることなど、複数の要件とコスト面で比較検討した結果、最も評価が高かったのがビーウィズの「Omnia LINK」でした。
「以前の環境では、お客様との通話を短時間しか記録できませんでした。いろいろな要素を定量化して分析したくても、できない状態だったのです。そのため、新しく導入するPBXは、待ち呼の把握やレポート機能・通話ログ、リモート環境でのコールセンター事業継続などの要件を満たしていることが前提条件でした。そして、最後にはビーウィズのサポート力が決め手になったと思います。導入前も導入後も、最も当社に通いつめてくださったのは、ビーウィズの担当者でした」(藤原様)
「Omnia LINK」の導入後、コールセンターで働く全員が新しい仕組みに適応し、ルールを整備していくプロセスに、多少の苦労がありました。それは、オペレーターが電話の応対以外にも、マネジメント、受注処理、物流との連携、ハガキ注文のデータ入力などの諸業務をこなしていたため、新たなツールの操作方法の習得が多少の負担になったことも影響しています。それでも、日々のお客様対応の過程で、オペレーター自らがより良い画面表記や、業務の定番化について話し合い、既定のマニュアルとは別に、ヴァーチェ様独自のマニュアルをボトムアップ式で作成しました。
「導入して間もないころは社内での適応が進まず、ビーウィズの担当者が来るたびにいろいろとご対応いただきました。その後は徐々に操作にも慣れていき、お客様とお話しする中でオペレーターが共通で使用する用語を、独自マニュアルとしてまとめています。話す言葉も統一しようというのは、ヴァーチェならではの文化だと思います。後から応対履歴や会話をログとして聞く場合に、メンバーが共通の用語を使っているので、どの場面でどういう会話をしたかが拾いやすくなっています。また、新しく入社したオペレーターにとっても、特殊な用語がマニュアルとしてまとまっていれば、仕事に入りやすいのではないかと思います」(竹本様)
株式会社ヴァーチェ カスタマーサポート部 竹本 弘平 様
導入の効果
現状をすぐに把握できるようになり、レポート作成時間も約3分の1に短縮
「Omnia LINK」の導入により、オペレーターのリアルタイム管理、コールセンターの運営状況やオペレーターのパフォーマンス分析に使用するレポート作成機能など、希望していたことはほぼ実現できているというヴァーチェ様。特に、オペレーターの状況をリアルタイムで管理でき、現場のリーダーが現状を把握しやすくなった点を高く評価しています。
「現場のリーダーが状況を把握しやすくなったことで、お客様をお待たせすることがないようなシフト調整や要員計画を立てたり、商品の成分についてのお問い合わせを詳しいオペレーターに転送したり、柔軟に対応できるようになりました。また、付随する効果として、受電以外の業務をしているオペレーターが、場合によっては自分も電話に出たほうが良いのか、自身で判断できるようになりました。リーダー不在時にも、受電と関連業務のどちらを優先すべきか、オペレーター自身もしくは年次の高い社員がしっかり判断できています」(竹本様)
「オペレーターごとのパフォーマンスが、非常にわかりやすくなりました。以前は、正の字を書きながら対応件数を記録していましたが、今はシステムで受電件数が確認できます。おかげで、オペレーターの関連業務を含めた作業時間、という新たな評価指標が確認可能になりました。ハイパフォーマーの存在を認識せずにシフトを組むのと、認識した上でシフトを組むのとでは全然違います」(藤原様)
また、管理者層がレポートを作成する時間も短縮できました。オペレーターが記録を残し、管理者がそれを集計するという作業が、ほぼゼロになったことで、1日平均で1時間30分は費やしていた作業が、今では約30分で収まっています。週明け月曜日はレポート作成の作業負荷が特に大きかったのですが、その問題もかなりカットできました。誰が作業してもムラのないレポートが作成でき、管理者の作業効率の向上につながっています。
「Omnia LINK」を活用し、より柔軟な問い合わせ対応が可能になったヴァーチェ様ですが、瞬間呼の問題は完全に解消できたわけではありません。オペレーターの数が限られている中で、どのようにお客様にご満足いただけるような応対を実現していくのか。どのようなコールセンターを構築していくのか。これからも挑戦は続きます。
「瞬間呼などの諸問題の解消のためには『Omnia LINK』をはじめ、デジタルツールとの連動が大きなカギになると考えています。その際、ヴァーチェにとって最も良い形は何か。内製コールセンターの極大化や他社への委託など、さまざまな選択肢を考える上で、ビーウィズのようなプロがいてくれたほうが、より正しいセンターが実現できます。今後もより一層のサポートや提案を期待しています」(竹本様)