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電話の受発信の基本

顧客データベースと電話をつなぐCTIの仕組みについて紹介!

2022年2月22日
顧客データベースと電話機をつなぐ「CTI」。この機能を活用することでオペレーターは電話をかけてきたお客様の顧客情報を詳細に把握することが可能です。その結果、コールセンターでの業務効率化や応対品質の向上、顧客満足度のアップなどが期待できます。CTIはリピート顧客を抱えるインバウンドに加え、アウトバウンドの現場でも大事な役割を担います。コールセンターで重宝されるCTIについて解説します。

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CTIで実現できること

CTIは「Computer Telephony Integration」の略です。コンピューターと電話関連機能(電話・PBX・FAXなど)を統合(Integration)させる技術になります。

いろいろな機器との統合が想定できますが、一般的にCTIと言えば、電話機と顧客データベースとを紐付ける機能を指します。この顧客データベースは通常、CRM(顧客管理システム)で一括管理されています。
電話機とCRMを連携させることで、お客様が発信した電話番号をもとに、コールセンターにかかってくる着信呼の顧客情報を、オペレーターのパソコン画面に表示します。表示する情報には過去の応対履歴や購入履歴なども加えることができます。

私たちのスマートフォンに電話がかかってくると、スマホ内に登録しているアドレス帳の情報をもとに、誰から電話がかかってきたかディスプレイに表示されます。これと同じように、CTIを使うことで、顧客データベースの情報をもとに(スマホにおけるアドレス帳ですね)、誰からかかってきた電話か事前に把握できます。加えて、CTIの場合はさらに細かな顧客情報まで呼び出すことが可能になるのです。
CTIがある場合と無い場合の違い_インバウンドの場合
<CTIでできること>
このようにオペレーターが電話に応答する前に顧客情報や応対履歴を表示する機能を「スクリーンポップ」や「着信ポップアップ」もしくは「ポップアップ機能」と呼びます。この着信ポップアップはインバウンドのコールセンターで使われますが、受注システムと連動することが可能ですので、お客様の購入履歴を事前に表示することができるわけです。

オペレーターは電話がかかってきた時点で、相手がロイヤルカスタマーかなど、詳細な顧客情報を確認できるので、そのお客様に合わせた応対がしやすくなります。

通話中もオペレーターのパソコン画面に顧客情報が表示されているので、電話番号の聞き間違いや顧客情報の入力ミスが低減します。

CTIが効果を発揮する場面とは?

CTIは、顧客データベースをしっかりと活用できるため、リピーターを多く抱えるインバウンド業務で導入メリットが出やすくなります。
その意味では、個人情報を保持して顧客をしっかりと育成するような会員ビジネス、例えば通販や保険などでは最適な機能と言えます。逆に毎回1回だけの「一見(いちげん)さん」を相手とした業務では、CTIのポテンシャルはそれほど発揮できないかもしれません。

あるいは、1つのコールセンターで複数の案件を同時に請け負っている場合、オペレーターは案件別に最初の「名乗り」を変える必要があります。CTIを使うと、事前にどの電話番号にお客様が電話してきたかが分かるので、決められた名乗りをポップアップさせることができます。そうすると、オペレーターは最初の名乗りでミスが減ります。
逆に、CTIが入っていないと「ささやき」機能などでオペレーターは名乗りを変えますが、ポップアップ画面を見て確認するのに比べてミスが発生するリスクが高まります。

もちろん初めて窓口に電話かけたお客様の場合、CRM上に登録がないため、1回目の通話時にお客様の情報を取得する必要があります。よって、初回のお客様の対応の場合は名前や生年月日、住所などの顧客情報をしっかりと聞き取る必要があります。
通販のコールセンターなどでは、「リピート窓口」のほうが「新規窓口」よりも通話時間や後処理時間が短いことが多いです。これは顧客情報の登録の手間を省ける点が大きいです。CTIはあくまでCRMと電話をつなぐだけの機能ですので、CRMに情報を入れておかなければ役に立ちません。

なお、CTIはインバウンドだけでなくアウトバウンドでも活用できます。
具体的には、オペレーターはモニターに表示された顧客データベースから、電話をかけたい相手の電話番号をワンクリックするだけで発信できます。これは「クリック・トゥ・ダイヤル」や「プレビュー発信」「クリック発信」などと呼ばれる機能です。この機能を使えば、電話番号をプッシュする必要がないため、オペレーターは素早く架電(電話をかけること)できるだけでなく、かけ間違いをなくせるのも利点です。

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CTIがある場合と無い場合の違い_アウトバウンドの場合
<アウトバウンドでのCTI活用>

ポップアップ機能を「あえて使わない」ことも

先述のとおり、CTIでは着信ポップアップによって事前に顧客情報を把握できるので、電話を受ける時にお客様が話しだす前に「△△様、いつもありがとうございます」というように距離を近づけた対応が可能です。かつ、本人確認のためにお客様に名乗ってもらったり、生年月日を言ってもらう必要がないので、お客様のストレスが減り、顧客満足度の向上が期待できます。

ただ、この着信ポップアップの機能を備えているものの、「あえて使用しない」というコールセンターもあります。
というのも、CTIではかかってきた電話番号をもとに顧客情報が表示されます。しかし、電話番号は解約して一定期間が経つと別の人が再利用できるため、かかってきた段階で以前に登録されていたお客様と同一人物であるという保証がありません。
そうした万が一の場合を想定して、コールセンターによっては着信ポップアップがあっても、その表示を見えていないものとして「ご本人様確認のためお名前をお願いします」や「生年月日とご住所をお願いします」と伝えて、お客様に自分で言ってもらい、本人確認を行うわけです。

このあたりは、顧客情報をどのように取り扱うか、センターごとにスタンスが異なるポイントと言えるでしょう。
その結果、ポップアップ機能を使うかどうか、言い換えると、着信時に本人確認をするかしないか、対応が分かれてきます。

顧客情報の取り扱いに慎重なセンターでは、お客様に自分の名前を名乗ってもらい、CTIはあくまで補助として使います。そういう場合は、そのセンターの顧客情報の扱い方を踏まえて、本人確認のルールを設定し、何をもって「本人」とするか、名前だけか、生年月日や住所まで言ってもらうのか、そのあたりの運用の仕方を整理しておく必要があるでしょう。

最後に整理すると、CTI導入の利点は大きく「業務効率化」と「顧客満足度の向上」の2点になります。

■業務効率化
顧客情報が詳細に分かるほか、応対履歴を簡単に残せる。架電も素早く行える。

■顧客満足度の向上
本人確認の手間がなく、過去の履歴を踏まえた応対ができる。
※ただし、センターによってはあえてお客様に本人確認をするところもある。

上記を踏まえて、CTIの活用を検討してみてください。
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