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データセンターとは? サーバーを安心・安全に運用するために欠かせない秘密に迫る!

2024年5月9日
皆さん「データセンター」という言葉を聞いたことがありますか? データセンターは、企業が利用するサーバーを安定して運用することに特化した施設です。データセンターは様々な目的で利用されており、クラウドPBX・コールセンターシステム「Omnia LINK」でも活用されています。

今回は、このデータセンターがどんなところなのかを紹介するとともに、企業が自社の拠点内にサーバーを置くこととの違い等についても、見ていくことにしましょう。

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暮らしや企業活動を支えるデータセンター

データセンターとは、主に「サーバー」を安定して運用するための施設です。専門の企業がデータセンターに特化した建物や設備を用意して、運用を行います。企業はデータセンター運営企業と契約をして、サーバーを借りるか、もしくは自前のサーバーを持ち込んで利用します。

サーバーは、大切なファイルの保管だけでなく、企業が利用するシステムをインストールして従業員にサービスを提供するなど、様々な働きをします。また、データセンターには「ネットワーク機器」も置かれて、企業のネットワーク(閉域網)とインターネットやその他の通信回線を取り持つ役割も担います。

これらの機器が、トラブルに見舞われることなく、安定して稼働できる設備と体制を備えた場所が、データセンターです。

データセンターがあることで、私たちがふだんPCやスマートフォンから利用している様々なサービスを、安心して使うことができるのです。そして、企業や従業員だけでなく、企業が提供するサービスを使う誰もが、意識せずともデータセンターのお世話になっています。

データセンターには何がある?

データセンターにある機器や設備を、もう少し詳しく見ていきましょう。データセンターには「サーバー」や「ネットワーク機器」が設置され、電話回線や通信回線が接続されていますが、それだけではありません。これらの機器を「安定して運用する」ための設備こそが、データセンターの真髄と言えるでしょう。
データセンターにある機器と設備

様々な機能を提供するサーバー


コンピューターの世界では、サービスを提供する側を「サーバー」、サービスを利用する側を「クライアント」と呼びます。そして、このような関係を「サーバー・クライアント型」と呼びます。

そんなサーバーの利用目的を知れば、データセンターの利用目的も見えてきます。

サーバーの利用目的1:ファイルの保管

一定規模以上の企業であれば、仕事で利用するファイルは、個人に支給されているPCの中ではなく、ファイルサーバーの中に保存していることでしょう。職場によって「ファイルサーバー」や「共有フォルダ」など、様々な呼び方があることでしょう。

それらのフォルダにファイルを保存することで、他の人と容易にファイルを共有できます。また、バックアップを行うことで、誤って削除してしまった場合や、ハードウェアが故障してしまった際などに、データを復旧することができます。

また、PC本体(ローカル)にデータを保存しておくことによる、PC紛失時のデータ漏洩のリスクなども軽減されます。

サーバーの利用目的2:Webサイトやメールの運用

企業が外部に向けて公開しているWebサイト(ホームページ)は、Webサーバーと呼ばれるサーバーで運用されています。また、メールの送受信やメールデータの保管には、メールサーバーが用いられます。

サーバーの利用目的3:様々な業務システムの運用

企業が業務で利用する様々なシステムも、サーバー上に導入されていて、社員はPCからアクセスして利用するものがほとんどです。とくに「オンプレミス型」と呼ばれるものは、自社で用意したサーバーにアプリケーションをインストールして利用します。

サーバーと社内外を繋ぐネットワーク機器


データセンターは、企業の拠点とは離れた場所にあるため、利用するためにはネットワークへの接続が必須です。データセンターには、社内外のネットワークへの接続や、電話回線との接続を担う機器があります。

ネットワーク機器の利用目的1:閉域網との接続

複数の拠点を持っている企業の多くが、社内の各拠点を結ぶ、閉じられたネットワーク「閉域網」を導入しています。データセンターも、閉域網を使って各拠点と接続する必要があります。そのためのネットワーク機器が、データセンターに設置されているのです。

ネットワーク機器の利用目的2:インターネットや電話回線との接続

各拠点とデータセンターの接続には閉域網を用いますが、閉域網はインターネットの世界に出ていくことができません。そこで、データセンターに設置したネットワーク機器を用いて、閉域網とインターネットを行き来できるようにします。また、ネットワーク機器は電話回線とコンピューターのネットワークを接続する役目も担います。

過去のコラムも、ぜひ参考にしてください。
また、クラウドPBXを利用する際には、閉域網と電話回線を接続する必要があります。そのために使われる「VoIPゲートウェイ」等の機器も、データセンターに設置することができます。

VoIPゲートウェイについても、過去のコラムで紹介していますので、参考にしてください。

サーバー等を安定して運用するための様々な設備


データセンターには、サーバーやネットワーク機器だけではなく、それらを安定して稼働させるための設備が揃っています。主なものを紹介しましょう。

地震等の災害に強い建物やラック

データセンターは、大きな地震でもサーバーの運用が止まらないように、免振構造となっています。また、サーバーを設置するラックも、耐震構造や免震構造とすることで、大きな揺れに耐えられるようになっています。また、水害時に水没しない立地になっているのも特徴です。

空調機器

サーバーは大きなコンピューターであり、たくさんの処理を行うと熱が生じます。サーバーをしっかりと冷却できないと処理スピードの低下や熱暴走といったトラブルになるため、空調設備が欠かせません。

データセンターには、空気を取り入れてサーバーを冷却し、発生した熱は適切に輩出する空調設備が備わっています。また、空調設備が故障した際のバックアップや、故障を検出するための体制が整っています。

多重化された電源設備

サーバーが止まらないようにするためには、安定した電源の確保も重要です。電源容量に余裕にもつことは当然として、「万が一の停電に備えて複数の変電所から電力を受けられるようにする」、「外部の電源が絶たれた時のための無停電電源装置や自家発電機を備える」といった、多重化が図られています。

多重化された通信回線

データセンターは、ネットワークがあって初めて機能すると言っても過言ではありません。そのため、通信回線も多重化して、万が一に備えます。メインの通信回線に不具合が生じても、すぐにバックアップに切り替えられるようになっています。

セキュリティ設備と体制

データセンターには、ネットワーク上で行われるサイバー攻撃への対策と、部外者の侵入を防ぐ対策の両面から、強固なセキュリティ設備や体制をもっています。データセンターと契約しているユーザー企業であっても、許可された限られた人しか入ることができません。また、一般には住所すら公開されていないことがほとんどです。

専門的な運営・管理体制

データセンターでは、ここまで挙げた設備の運営・管理を、データセンター運営企業に任せることができます。データセンターを利用する企業が自ら、建物やサーバーラックの耐震性、施設のセキュリティ対策、空調や電源のトラブル対策等に追われることはありません。

自社でサーバーを持つ「安心感」と「リスク」

企業がサーバーを利用するには、「外部に置く」と「自社に置く」の2つの選択肢があります。このうち、外部に設けられた拠点の形態が、今回のテーマである「データセンター」です。

一方で、自社で「サーバールーム」と呼ばれる部屋を用意して、そこにサーバーを置いている企業もたくさんあります。よく「自社で管理できるから安心」と言われますが、データセンターとは違い、安定して運用するために多くのリソースを必要としますし、リスクも背負うことになります。

自社サーバールームでありがちなトラブルの例として、下記のようなものが挙げられます。

・災害の被害に遭う
・エアコンが壊れてサーバーの冷却ができなくなる
・電源が落ちる
・通信環境のトラブル
・関係者以外の侵入
・メディアの交換作業時にトラブルが起きる(記憶装置の故障など)


余談ですが、サーバールームは冷房がキンキンに聞いているので、真夏でもコートを着て作業するくらい寒く、労働環境としても大変です。
自社でサーバーを持つ「安心感」と「リスク」
このような数々のトラブルに対して、自社で対応する力がある場合は「自社でサーバーを持つ」という選択肢も有効です。実際、データセンターと同等の設備、つまり「自社による自社のためのデータセンター」を保有している企業もあります。

しかし、すべてを自社でまかなうのは簡単ではありません。先ほど紹介したような、サーバー等を安定して運用するための様々な設備を「自社のためだけ」に用意することはもちろん、設計や運用・メンテナンスのために、サーバーやネットワークに関するスペシャリストを社内に確保するには、かなりのコストと労力を必要とします。

データセンターを利用すれば、多くの部分をデータセンター運営企業に任せることができ、上記のような手間・トラブル・リスクから解放されるのは、大きなメリットです。

BCP対策としてもデータセンターは有効


日本では毎年、地震や台風等の災害が少なからず発生しています。災害が起きた場合でも、なるべく事業を止めないこと、止まったとしてもなるべく早く復旧することが求められます。そこで企業に求められるのが、BCP(事業継続計画)です。

自社の拠点とは異なる場所にあり、電源系統や通信回線が多重化されるなど万全の体制をもつデータセンターは、BCP対策としても大変有効です。自社の拠点が被災して使えない状態になったとしても、それとは異なる立地にデータセンターがあれば、事業が継続できる可能性が高まります。企業によっては、異なる立地のデータセンターと複数契約し、バックアップ体制を取っています。

データセンターは「これさえあればBCPは万全」ということではありませんが、リスク低減のためは欠かせない存在です。

データセンターの歴史

さて、データセンターの役割や、どんなところなのかを理解したところで、データセンターの歴史についても学びましょう。

電算室の時代


企業でコンピューターの活用が広まり始めた1960年代の半ば、その主役にあったのは、今のように1人に1台配布されるPCではなく、「汎用機」や「メインフレーム」と呼ばれる大型のコンピューターでした。さらにもう少し時代を遡れば、ひとつの用途のためだけにある大型のコンピューター「専用機」が主流の時代がありました。

「専用機」にしても「汎用機」「メインフレーム」にしても、大型の機械なので、設置には専用の部屋が必要でした。また、そのコンピューターを操作するためのオペレーターもいて、各部署からの依頼に応えて、オペレーターが大型コンピューターを操作していたのです。いわゆる「集中処理」です。

この時代、大型コンピューターが設置された部屋の名称として一般的だったのが「電算室」です。また、大型コンピューターを扱う部署を「電算室」、情報システムの設計まで手掛ける部署を「電算部」と呼ぶのが主流でした。

時を同じくして、中小企業を中心に普及したのが、オフィスコンピューター(オフコン)と呼ばれる小型のシステムです。小型と言っても、それは「従来に比べれば」の話で、今のPCよりははるかに大型のもの。心臓部と操作する端末に分かれていて、設置にはそれなりのスペースを要します。このオフコンを設置する部屋や、オペレーションを行う部署も、やはり「電算室」と呼ばれました。

今でも、サーバーが設置された部屋や、情報処理部門を「電算室」と名付けている企業は少なくありません。

サーバー室(サーバールーム)の時代


1980年代以降、PC、つまりパーソナルコンピューターが普及すると、データセンターの設備の項でも触れた「サーバー・クライアント型」のシステムが主流になっていきます。

日々の業務に使用しているデータはPC本体のハードディスク、そしてフロッピーディスク等の記憶媒体に保存して、社員が手元のPCで処理。一方、容量が大きいデータや重要なデータ、バックアップ等を保存するような使われ方をしていました。これによって、コンピューターで処理をする負荷が、サーバーとクライアントとに分散されました。

サーバーの用途は、ファイルの保存に留まりません。企業が使用する各種の情報システムも、サーバー上で稼働します。デジタル化の進展に伴って、サーバーの重要性は日に日に高まっていったのです。

以前は大型の汎用機・メインフレームが設置されていた電算室も、時代の変化に伴って「サーバー室」や「サーバールーム」と呼ばれるようになりました。

データセンターの時代


1990年代になると、今回のコラムで紹介している「データセンター」が普及し始めます。

それ以前にも、汎用機・メインフレームを外部に置いて、通信回線で繋いで利用することが始まっていました。

しかし1990年代以降は、データセンターを利用する企業が施設内のスペースを借りて自社のサーバーを設置する「コロケーション」や「ハウジング」といった利用方法が普及します。ちなみに、コロケーションのほうがハウジングよりスペースの自由度が広いイメージです。

データセンター普及の背景には、大容量の通信回線が普及して、企業の拠点とデータセンターの間で、たくさんのデータを高速にやり取りできるようになったことがあります。また、これまで紹介してきたように、運用管理や今でいうBCP対策の面でデータセンターを使うメリットも、広く認識されていきました。

併せて、データセンターが用意したサーバーを借りる「ホスティング」という利用形態が普及します。ホスティングの中にも、サーバーを1台独占できる「専用サーバー」と、1台のサーバーを複数の利用者で共用する「共用サーバー」があります。

ホスティングのサービスは、一般には「レンタルサーバー」という言葉で知られています。中小企業や個人でも安価に契約できるのが特徴です。個人でレンタルサーバーにブログのシステムを導入し、Webサイトを運営しているという人もたくさんいます。

今回紹介しているデータセンターの恩恵を受けているのは、決して大企業だけではないのです。

そしてクラウド時代へ


2010年代以降は、まさに「クラウド」の時代と言えるでしょう。

クラウド(クラウド・コンピューティング)は、利用する企業が自社で物理的な機器を保有せず、クラウド事業者の資源を利用するものです。クラウドを利用する側は、サーバーの台数やストレージ(記憶装置)の容量を気にする必要はありません。必要な時に必要なだけ使うことができ、サーバーのメンテナンスやアプリケーションのインストール等を自分で行う必要もないのです。

クラウドは「仮想化」という技術に支えられています。仮想化とは、従来は「1台1役」であったサーバーを、ソフトウェアによって1台のサーバーハードウェア上に複数の「仮想的なサーバー」を設けて、複数の役割を持たせることができる技術です。そして仮想化の実現には、処理能力が大幅に向上したコンピューターが貢献しています。

そして、クラウドでも裏側にはデータセンターが存在していて、クラウドで利用しているデータは、クラウド事業者は自前のデータセンターに設置されたサーバーの中にあります。

Omnia LINKとデータセンター

ここまで、データセンターについて詳しく紹介してきましたが、最後にビーウィズ株式会社が提供するクラウドPBX・コールセンターシステム「Omnia LINK」ではどのようにデータセンターが活用されているのかを見ましょう。
Omnia LINKにおけるデータセンター活用例

Omnia LINKのデータセンター


Omnia LINKは、Googleのクラウドプラットフォーム「Google Cloud」の上に構築されています。したがって、Google Cloudのデータセンターのお世話になっています。とはいえ、そのデータセンターの存在を意識する場面はありません。

そして、Omnia LINKは「クラウドPBX」なので、電話回線と接続する必要があります。そして、Omnia LINKのデータセンターは、Google Cloud上に構築されたOmnia LINKと電話回線を接続する、重要な役割を担う場所です。

このコラムの前半で、データセンターにはネットワーク機器が設置されていること、その役割のひとつが、コンピューターのネットワークと電話回線との接続であることに触れました。まさに、この用途でデータセンターが活躍しています。

災害をはじめとするトラブルに強いデータセンターが、Omnia LINKのサービスを支えているのです。

Omnia LINKのデータセンターに設置されている、コンピューターのネットワークと電話回線を接続する機器についての詳細は、関連コラムをご覧ください。

暮らしを支えるデータセンターに想いを馳せる!?

今回は「データセンター」を取り上げ、その利用目的やどんなところなのか、そして歴史に至るまで盛りだくさんの内容でしたが、いかがでしたでしょうか。

あらゆる機器がネットワークにつながり、データがやり取りされている現代において、データセンターはまさに「暮らしを支えている」と言えるでしょう。ふだんスマートフォンを手にするちょっとした瞬間に、データセンターの存在を思い出してみてください。
データセンターってどんなところ?
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