1.ブラウザー連携
ブラウザー連携は、PCのWebブラウザーからシステムを操作する際によく使われる手法です。システムによっては「URL連携」と呼ばれていることもあります。
例えばコールセンターに着信があり、コールセンターシステムからCRMへと発信元の電話番号を連携したいとき、連携に必要な情報を盛り込んだURLを作成します。そのURLをWebブラウザーが開いて、システムにログインし、発信元の顧客情報を表示させるところまでを自動化します。
コールセンターシステムだけでなく、様々なシステムで使われている連携方法です。
2.API連携
APIとは、「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の略で、あるアプリケーションの機能を、別のアプリケーションで呼び出して利用するための窓口のようなものです。
このAPIを使ってプログラム(アプリケーションやソフトウェアと呼ばれるもの)同士が連携することを「API連携」と呼びます。中でもWebアプリケーションのAPIを「Web API」と呼び、私たちが日常的に使用しているGoogleやX(Twitter)、Facebook、ECサイトなど様々な場面で使われています。
例として、「ソフトウェアA」が「ソフトウェアB」からデータを得たいケースで説明しましょう。「B」はあらかじめ「こういうふうに聞いてくれれば、こんなかたちでお望みのデータをお渡ししますよ」という決まり事を作り、外部に公開します。いわば「メニュー表」のようなものです。「A」はそのメニュー表に従って注文をして、「B」から返ってきた品物を受け取ればよいのです。
コールセンターシステムの場合ですと、CTIとCRMが連携する際、CRM側で用意されているWeb APIを利用するケースが考えられます。
APIがあることで、ソフトウェアやWebサービスを連携させるための開発が容易になり、ひいてはそれらを使うユーザーが便利になります。
3.データベース連携(DB連携)
データベース連携(DB連携)は、文字通りデータベースの情報を参照したり、データベースとデータベースが紐づいたりして連携することを言います。先ほど紹介したAPI連携も、連携先がデータベースであれば「データベース連携」と呼ぶことができますし、この後に紹介する方法でも同様です。ひと口に「データベース連携」と言っても、その範囲はだいぶ広いものです。
狭い意味で説明すると、データベース連携とは、データベースに格納されているデータを参照することや、複数のデータベースが同期することを指します。例えば、コールセンターで使用しているCRMと、ECサイトのシステムとの間で、常に、もしくは一定間隔で顧客情報が同期する、といったことです。
データベースによってはAPIが用意されている場合があるほか、データベースどうしを連携させるためのツールも存在します。お使いのシステムに合わせて、連係の仕組みを一から開発するということもあるでしょう。
4.ファイル連携
ここまでAPI連携やDB連携について紹介しましたが、読んでいて「なんだか難しいなあ」と感じた方も多いのではないでしょうか。でも、すべてのシステム連携が難しい仕組みを使っているわけではありません。比較的簡単なシステム連携としては「ファイル連携」が挙げられます。
ファイル連携とは、あるシステムからデータを「CSV形式」や「XML形式」で書き出して(エクスポート)、別のシステムに取り込む(インポート)ことです。書き出しと取り込みは、頻度が少ない場合や単発の作業であれば、手動で行います。また、1日1回だけデータが連携すればよいようなケースでは、毎日決められた時間に自動でプログラムが実行されて、エクスポート~インポートするといったことも行われています。
リアルタイムに連携する必要がなくて、データの数もそれほど多くない(データ容量が小さい)場合、このファイル連携はとてもリーズナブルで有効な手段です。
5.RPA連携
人に代わってPC上での様々な作業を行ってくれるのが、RPA(Robotic Process Automation)です。例えば、上で触れたばかりのファイル連携を行う場合でも、ファイルの書き出しから取り込みまでの作業を、RPAに任せているケースも、もはや珍しくはありません。
RPAはきちんと設計すれば、人間の手作業と違ってミスを起こさないというメリットがあります。例えば、コールセンターでお問い合わせを受けた後、ヒアリング~記入した情報を基に別のシステムで申請などの後処理を行う場合も、RPAを活用すれば転記ミスや転機漏れを防ぐことができます。
RPAの処理スピードは手作業と大差ないケースが多いため、大量の作業を高速で処理したいというニーズには合いません。しかし、ロボットはずっとその作業を続けても、集中力が落ちたり眠くなったりはしません。業務の特性によっては、有力な選択肢となるでしょう。
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