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音声認識の活用

注目度うなぎのぼりの「自然言語処理」を知ればセンター運営が劇的に変わる?

2022年8月9日
昨今、コールセンター業界において「自然言語処理」が注目されています。AIの登場によって自然言語処理が進化を遂げたことで、音声認識の精度が向上しました。その結果、コールセンターに集まる膨大な音声データをさまざまなシーンで活用できると期待が高まっています。今回は自然言語処理の内容やコールセンターでの使われ方などを紹介します。

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そもそも「自然言語処理」とは?

言語は大きく「コンピューター言語」と「自然言語」に分けることができます。そのうち自然言語は私たちが日常使っている言語です。
プログラミング言語などを指すコンピューター言語は、解釈が1つ(一意)であるのに対して、自然言語はファジー(あいまい)で、複数の解釈が可能であったり、時代や地域、文化的背景によっても解釈が変化したりするという特徴があります。
解釈が変わる例として、次の文を見てください。

警察は自転車で逃げる泥棒を追いかけた

この文章は以下のように2通りの解釈が可能です。

 解釈① 警察は 「自転車で逃げる泥棒」 を追いかけた (泥棒が自転車で逃げる)
 解釈② 警察は自転車で 「逃げる泥棒」 を追いかけた (警察が自転車で追いかける)

これが、自然言語があいまいであることの一例です。
言語には自然言語とコンピューター言語がある
<言語には自然言語とコンピューター言語がある>
こうしたあいまいな自然言語をコンピューターで解析することを、「自然言語処理」と呼びます。

自然言語処理が活用されている技術として、以下のものが挙げられます。
• 入力文字変換
• 機械翻訳
• 対話システム
• 検索エンジン

ただ、自然言語は一意ではないため分析や処理が難しく、以前は変換や翻訳が不自然になってしまうことも多かったそうです。
ところが、AIの登場によって自然言語処理が進化を遂げ、2016年末頃にはGoogle翻訳の精度が飛躍的に向上して話題となりました。

自然言語処理の4つの手順

自然言語処理は次の4つの手順で行います。

形態素解析 → 構文解析 → 意味解析 → 文脈解析

自然言語処理の手順について、「高い富士山と海が美しい」という文章を例にそれぞれの工程を見ていきましょう。

【形態素解析】
辞書や文法ルールをもとに「意味を持つこれ以上分割できない最小単位(≒単語)」に分割する作業です。英語は単語と単語の間がスペースで区切られていますが、日本語は文字が連続しているため、こうした分割作業が必要になります。
形態素解析のイメ―ジ
<形態素解析イメ―ジ>
【構文解析】
形態素解析で分割した単語の関係性を解析する作業です。これを「係り受け(かかりうけ)解析」と呼ぶこともあります。
構文解析のイメージ
<構文解析イメージ>
【意味解析】
構文解析によって係り受け(言葉と言葉の関係性)の構造は把握できますが、「意味」を利用して正しい選択を行う必要があります。
そこで意味解析では、辞書をもとに単語と単語の関連性を調べながら、正しい構文を選択します。
意味解析のイメージ
<意味解析イメージ>
【文脈解析】
複数の文から、文と文の関係性を解析する複雑な作業です。
高い富士山と海が美しい。私はそれを子供に伝えた。
⇒ 「それ」は直前の文章を指す。

以上が自然言語処理の4つの手順です。
形態素解析→構文解析→意味解析→文脈解析の4段階を経て、自然言語処理が完了します。

なお、4つの段階のうち、形態素解析と構文解析はコンピューターが得意な領域で、さまざまなソフトウェアが出ています。一方、意味解析と文脈解析はAIの領域となります。

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STTの精度向上でコールセンター業界では期待高まる

自然言語処理を活用したものに音声認識(STT)があります。自然言語処理の進化に伴って、STTの精度も飛躍的に上がっています。かつては音声をうまく理解できなかったのが、最近では正確に音声を認識できるようになってきました。それに伴ってコールセンターにおいても自然言語処理が注目されるようになってきました。

というのも、コールセンターには膨大な音声データが存在します。これまではお客様が発した言葉をオペレーターが取捨選択して、CRMにお客様の声として入力していました。つまり人の経験値に頼って、音声データを取捨選択して活用していたのです。
それがAIの進歩によってSTTの精度が向上したことで、人の経験値に頼らずに膨大な量の音声データをビッグデータとして解析し、さまざまなシーンに利用することが可能になってきています。

具体的には、
・VOC分析による商品開発やマーケティングでの活用
・オペレーターの回答の自動アシスト
・FAQのサポート
・キーワードアラート
などがすでに現場で使われています。

STTを活用すれば、SV(スーパーバイザー)やオペレーターが持つ経験値や、現場での教育に依存しなくても効率化とサービス品質向上が可能になる─。人手不足が徐々に深刻化しているコールセンター業界では、こうした期待感が高まっています。

自然言語処理をどう現場に取り入れていくか、コールセンターでは現在も試行錯誤が続いています。
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