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センターの運営とテレフォニー

毎日の地道な「テストコール」でコールセンターの事故やトラブルを未然に防止!

2022年7月5日
今回解説するのは「テストコール」です。テストコールとは、コールセンターの立ち上げ時や業務開始前に、システムに異常がなくつながるかをチェックする作業です。電話をかけてきちんと通じるか確認するという単純な作業ではありますが、手を抜かずにテストコールを行っておくことで、大きな事故やトラブルの防止につながります。

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コールフローに沿って順番にチェックする

テストコールを実施する際は、実際にトールフリーや実番号に電話をかけて、問題なく着信するか、待ち呼や時間外のガイダンスが正しく流れているかなどをチェックします。

テストコールを行うタイミングは、大きく以下の3つがあります。

■コールセンターのカットオーバー(立ち上げ)時
■年1回の法定停電の時
■毎日(業務開始前・業務開始時・業務終了後)
テストコールの実施タイミング
<テストコールの実施タイミング>
上記のうち、センターの立ち上げ時や法定停電の際は、テストコールで1つずつ、問題がないかつぶしていきます。

まず、最初の入り口であるカスタマーコントロール(カスコン)に問題がないか。次にPBXの入り口に問題がないか。そしてオペレーターのスキル設定は大丈夫か。パソコンや電話機は故障していないか。このようにコールフローに沿って順番にチェックしていきます。

具体的には以下のような項目をテストコールでチェックします。
・フリーダイヤルがつながるか
・実番がつながるか
・プロンプティングアナウンス(IVRによる音声ガイダンス)は正しいか
・IVRやACDによる呼の振り分けは正しいか
・待ち呼がつくか
・待ち呼のガイダンスは正しいか
・ささやきは正しいか
・オペレーターに着信するか

また、毎日のテストコールでは、営業開始前に時間外ガイダンスが流れるかを確認します。営業時間内にはトールフリー番号に着信するかをチェックし、営業終了後は時間ガイダンスが間違いなく流れるかを調べます。
テストコール時のチェック項目
<テストコールのチェック項目>
なお、年末年始や夏季休暇などにセンターの営業時間を変更してコールフローを変えた際には、設定変更時、営業開始前、営業開始後、営業終了後にそれぞれテストコールをしておかないと、設定もれなどを見落としてしまいます。つい忘れがちですが、コールフローを変更した時には必ずテストコールを行うようにしましょう。

テストコールにおける注意点

カットオーバー(立ち上げ)前は、問題なくつながるかを調べるために必ずと言っていいほどテストコールを実施します。一方、日々のテストコールは重要性が下がり、省略してしまうようなことはないでしょうか。
その結果、営業開始から1時間後にシステムの設定ミスで電話がつながらないことに気付く、なんてことも起こり得ます。こうした事態を避けるためにも、毎日の業務開始前のテストコールは欠かせません。

ただ、その際にも注意が必要です。
センターオープン後すぐにテストコールを実施するのが基本ですが、この時に「最初の1本目の電話はSV(スーパーバイザー)がテストでかけてくるので、社内向けの対応で大丈夫」とオペレーターに思われてしまうと、もし本当のお客様だった時に失礼な応対になりかねません。
そのため、テストコールをかけるSVは漫然と行うのではなく、電話に出たオペレーターの名乗りの品質やマイクの位置をチェックするなど、テストコールであっても一定の緊張感が出るようにすることが大事です。

また、PBXでオペレーターのスキルを外したまま、戻し忘れが生じていることもあります。
スキルとは、お客様の用件別の問い合わせ窓口を指します。例えばスキルAが「注文」、スキルBが「問い合わせ」、スキルCが「配送」といった具合です。
ある日、スキルBの「問い合わせ」が鳴りすぎて、スキルAとCの電話がつながらないため特定のオペレーターの電話にはスキルBが鳴らないように設定したとします。これを「スキルを外す」と呼び、PBXの操作で簡単に行うことができます。一度外したスキルを戻し忘れると、翌日もそのオペレーターの席ではスキルBの「問い合わせ」の電話が鳴らず、対応できないといったことが起こります。
万が一このようなことが生じても、テストコールをすることで異常に気付くことができます。スキルの戻し忘れを防ぐためにも、テストコールは毎日欠かさず行うようにしましょう。

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100本の窓口の回線をチェックする方法

1つの案件でトールフリー回線が100本など膨大な数の回線を使っている場合、すべての回線が問題なく通じるかをチェックするのは大変です。
こうした場合、自動で電話をかけるアウトバウンドダイヤラーを使うと、効率的にテストコールを行うことが可能です。仮に24時間稼働するセンターであれば、呼量が減る深夜にアウトバウンドダイヤラーで100回線を順番にかけていきます。その際、テキスト音声合成(TTS)の技術を活用して、自動音声で「テストコールです」とアナウンスし、オペレーターにつながるかをチェックするという方法もあります。
上記のようにアウトバウンドダイヤラーとTTSを組み合わせることで、手間や人手をかけずに多くの番号に自動でテストコールをかけることができます。
ダイヤラーとTTSでのテストコール実施イメージ
<ダイヤラーとTTSでのテストコール実施イメージ>
あるいは、フリーダイヤル100本のうち、よく鳴る番号についてはリアルタイムレポートやヒストリカルレポートを見て、異常がないかを確認しておき、逆にめったに鳴らない番号を定期的にテストコールで確認しておくという方法も効果的です。このようにレポートとテストコールをうまく使い分けることで、万が一のミスをなくすことにつながります。

ここまでテストコールについて見てきました。
テストコールは、正常に着信する日が大半です。だからと言って油断してテストコールをしなかった日にかぎって、事故が発生するものです。
運営中であっても呼量が大幅に少なければ、何か問題があるのではないかと疑って、すぐにテストコールを行うようにしましょう。そうすることで早期に問題に気付くことができ、大きな事故を防止することができます。
テストコールで事故やトラブルを未然に防止
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