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センターの運営とテレフォニー

コールセンター運営で欠かせないレポートの極意(後編)~オペレーターのパフォーマンスを知る~

2022年6月21日
健全なコールセンターの運営に「レポート」は欠かすことができません。レポートにはコールセンター全体の状況を把握するためのものに加えて、個々のオペレーターのパフォーマンスを見るために使うものもあります。後者のレポートを使ってオペレーター個人の状況を理解することで、より的確にコールセンターを改善することが可能になります。後編ではオペレーター個別のレポートについて解説します。

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個別のレポートで精度の高い状況分析が可能に

コールセンター全体のレポートだけでなく、オペレーター個別のレポートも見ることで、より精度の高い状況分析が可能になります。

例えば、センター全体のレポートから平均通話時間が分かりますが、平均通話時間というのは個々のオペレーターの通話時間を足して、オペレーターの人数で割ったものです。
平均通話時間が長いのは、全員の結果ではなく、誰かが長く話していることもあります。その場合、平均通話時間を短くするには、オペレーター個々人のパフォーマンスを調べ、長く話している人を見つけだし、その人に合った教育やフォローをすることで改善できます。

このように、センター全体のレポートだけでなく、オペレーター個別のレポートも併用することで分析の精度や改善の効果が高まります。
コールセンターにおける2種類のレポートの違い
<2種類のレポートの違い>
コールセンター全体のレポートと同じく、オペレーター個別のレポートにも「リアルタイムレポート」と「ヒストリカルレポート」の2種類があります。
リアルタイムレポートはオペレーターのフォローアップに、ヒストリカルレポートはオペレーターの教育に活用するケースが多いです。

センター全体のリアルタイムレポートは呼量の変動に対応するためにその瞬間の状況を見ていましたが、オペレーター個別のリアルタイムレポートを使えば、個々の能力や状況に応じた対応策を練ることが可能になります。

平均後処理時間が3分のオペレーターが10分かかっているのであれば、SV(スーパーバイザー)は「何か困っているのかな」と推測できます。あるいは、平均通話時間が5分のオペレーターが20分話していれば、「クレームかもしれないのでモニタリングしよう」などの判断ができます。
オペレーター別のリアルタイムレポートによって、平均値だけでは分からない部分も把握でき、そこから改善につなげることできます。
Omnia LINKのシートマップイメージ_オペレーターの状態が一目で分か
<Omnia LINKのシートマップイメージ_オペレーターの状態が一目で分かる>
ヒストリカルレポートを活用すると、通話や後処理、保留時間などオペレーターのパフォーマンスを分析し、改善につなげることができます。複数人のオペレーターを比べて、その違いを分析することも可能です。

仮に、Aさんは生産性が高く、Bさんは低いとします。この場合、Bさんのスキルを高めるために教育研修をするのも有効かもしれませんが、レポートを使うことでもう少し精度の高い改善策を考えることができます。
例えば、AさんもBさんも後処理時間は同じだけどもBさんは保留時間が長いのであれば、SVは「ナレッジベースの検索性が悪いのかもしれない」と仮説を立てることができます。逆に保留時間は同じだけどBさんは後処理時間が長いのであれば、「後処理を簡単にするテンプレートを作ろうか」という改善策を導けます。
Omnia LINKにおけるオペレーター個人のヒストリカルレポートイメージ
<オペレーター個人のヒストリカルレポートイメージ>

「離席コード」で稼働時間が分かる

オペレーターは勤務時間中、電話応対だけをしているわけではありません。研修や面談、休憩なども行います。そうした勤務中の各自の状態を可視化する機能が「離席コード」です。

離席コードとは、下記のような各項目(コード)のことで、オペレーター自身がパソコン画面で選択すると、PBXにその状態が表示されます。

「ONLINE」(応対可能)
「CALLWORK」(電話応対中)
「AUX離席中」(席を外している)
「AUX調査中」(調べ物をしている)

上記のような離席コード以外にも、センターによっては「面談は2番」「研修は3番」「10分休憩は4番」などそれぞれ何番を押すかルールを定めているところもあります。オペレーターはそれに従って離席コードを選びます。
状態の可視化_離席コードの中から自分の状態を選択する
<状態の可視化_離席コードの中から自分の状態を選択する>
もし離席コードが1種類しかなければ、そのオペレーターがなぜ席を外しているのかSVは把握できません。離席コードが複数あることで、SVは「今はトイレ休憩だからすぐに戻ってくる」「1時間休憩に入ったところだから50分は戻ってこない」などと判断ができます。

離席コードを扱う際に気を付けるべき点は、オペレーターにしっかりとその時の離席コードを選んでもらうことです。仮にアウトバウンド業務をしているのに離席コードが「後処理」のままだと、数字上は後処理に長い時間がかかったことになり、レポートで分析する際に誤った判断をしかねません。
特に経験の浅い新人のオペレーターは離席コードの切り替えを忘れがちなので、SVがしっかりと指導する必要があります。

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レポートの数値を現場に当てはめて意味付ける

ここまで見てきたように、レポートを丁寧に読み解くことはとても大切です。
センターの運営がうまくいっていないところは、レポートをしっかり見ていない可能性があります。リアルタイムレポートの動きを追えていなかったり、ヒストリカルレポートのごく一部の数字しかチェックしていなかったりするのではないでしょうか? 以下の例を見てください。

あるセンターで平均の後処理時間が目標の30秒を達成しているので、そこで安心して細かくレポートを分析していないとします。
この場合、オペレーターごとの個別の数値を見れば、もしかしたら新人の数値はどんどん改善しているのに、ベテランは後処理時間が徐々に長くなっているといった傾向が分かったかもしれません。しっかりとレポートに目を通さなかったために、ベテラン勢は業務に慣れてきて気が抜けてきているかもしれないという兆候を見落とし、将来的なリスクが放置されたままになってしまうのです。

上記のようなことがないよう、レポートをしっかり活用するようにしましょう。
そしてレポートを見ることと合わせて大事なのが、「現場を見ること」です。オペレーターの顔を見たりオペレーターの声に耳をすましたりすることで、数字だけでは見えてこない現場の変化や異変を察知できることがあります。

レポートと現場の双方をしっかりと見て、レポートの数値を現場の状況に当てはめて意味付けることが、健全なセンター運営にとって非常に大事になるでしょう。
コールセンターのレポートの極意~オペレーターのパフォーマンスを知る~
コールセンター運営で欠かせないレポートの極意(後編)~オペレーターのパフォーマンスを知る~
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