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新たにセンターを作るときのテレフォニー設計

コールセンター構築時に必要な「コールフロー図」、失敗しないための要点をチェック

2022年6月7日
今回は「コールフロー図」について解説します。コールフローはコールセンター業務の土台となるものです。これがなければPBX内の設定ができませんし、そもそもコールセンターを作ることができません。決して難しくはありませんので、この機会にコールフロー図について理解してもらいたいと思います。

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オペレーターにつながるまでの流れを図示する

コールフローとは、お客様が電話をかけてからオペレーターにつながるまでの流れのことです。それを図示したものを「コールフロー図」と呼びます。通常、1つの電話番号につき、1つのコールフロー図を作成します。

コールフロー図を作成する際に押さえる点は、以下になります。
■ 上から下へ流れることを基本とする。
■ 分岐条件(Yes・Noなど)を記載する。
■ 分岐の結果、すべてが何らかの処理に行きつくように記載する。

実際のコールフロー図を見ながら、具体的な項目を確認していきましょう。
コールフロー図の例
<コールフロー図の例>
上記のコールフローは、企業が複数のコールセンターを持っており、そのうちの東京コールセンターのコールフロー図を示したものです。

コールフロー図には、PBXの外の「網側(もうがわ)」から記載していく場合と、社内のPBXに入ってから(実番以降)の流れを記載する場合の2種類があります。

網側から記載するのであれば、フリーダイヤル(0120-△△△△△△)など公開されている番号から書きます。PBXからであれば、実番(03-△△△△△△)以降の流れを書きます。オーソドックスなコールフロー図では、入電がPBXに入ってからの流れを示すことが多いです。

ここではフリーダイヤルにかかってきた電話を実番(03-△△△□□□)に流すよう、網側で設定されているとします。実番は網側からPBX側に移行していますので、コールセンターのPBXに呼が流れていくことになります。

その際、実番に着信させる前に、網側の段階で「品質向上のために録音しています」というアナウンスが入ったり、IVR(自動音声応答システム)で用件別に番号を入力してもらうことがあります。あるいは実番に着信させてからアナウンスやIVRをPBX内で設定するケースもあります。アナウンスやIVRは、そのセンターの運営状況に合わせてコールフロー図の適切な位置に配置します。

分岐に漏れがないようにすることが大事

それでは、PBXに入ってから(実番以降)の設定を見ていきましょう。
まずは休業日や営業時間外の設定です。
例で示したコールフロー図のように、

センター休業日
日祝
センター営業時間外
月~金 21:00~9:00
土 17:00~9:00

といった具合に、休業日と時間外それぞれの曜日・時間帯を明記します。

休業日やサービス提供時間外に電話がかかった場合を踏まえて「yes」の分岐を作り、「休業日アナウンス」や「時間外アナウンス」という項目を作成してその後の「切断」の流れまで作っておきます。休業日や営業時間外だけでなく、期間限定のキャンペーンが終了した後の対応として、必要に応じて「キャンペーン終了翌日の△月△日以降」などで分岐を作ることもあります。

センターが営業日で営業時間内であれば、待ち呼に入るかどうかを設定します。
コールフロー図では待ち呼の許容人数を記載しておきます。待ち呼の数を何人にするかは、一般的に窓口の数に対する許容人数になりますが、そのセンターの方針や案件の内容によっても変わってきます。
仮に待ち呼の許容人数を10人とすると、それを超えた場合は「ビジー返し」となり、お客様は電話がつながらず、「ツーツー」と電話が切れます。

待ち呼の許容人数を記載した後は、「スキル着信」を設定します。
着信の頭に「スキル」という文字が付きますが、コールフローの中で「フリーダイヤルへの着信」「実番への着信」「各項目への着信」など着信にいくつかのフェーズがあり、そのうちお客様が選択した「注文」や「修理」など問い合わせ項目ごとに分かれた着信を「スキル着信」と呼びます。

スキル着信の際に、オペレーターに空きがある場合とない場合で分岐を設けます。
空きがなければ、待ち呼の行列に入り、「ただいま電話が大変込み合っております」のようなアナウンスを流します。保留音を流す時間も「20sec(秒)」などと決めておき、その時間が過ぎると、再度同じアナウンスを流すのか、2回目は別のアナウンスに切り替えるのか、などのルールも決めておきましょう。
オペレーターに空きがあれば、「ささやき」を経てから、オペレーターにつなぎます。ただ、ささやきを設定しないセンターもありますので、その場合、ささやきは省略します。

このようにコールフロー図を作成していきます。最終的にオペレーターにつながるところまで、分岐に漏れがないようにすることが大事です。分岐は「休業日・営業時間外」「待ち呼」「スキル着信」などで作るということを覚えておいてください。

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コールフロー図の一例と解説
<コールフロー図と解説>

もしものケースを想定してIVRを設定

先述のように、IVRをどこに配置するかはケースバイケースです。網側であったりPBX内であったり、場合によっては網側とPBX内の両方にIVRを設置する方法もあります。

仮にPBX内で使う場合、IVRで「料金は1番をプッシュ」「配送は2番」「キャンセルは3番」などのように問い合わせ内容別に振り分けてスキル着信をします。その際、お客様がIVRの設定にない番号を押したり、何も番号を押さない状態が続いた時にどうするかを設定しておくことも可能です。

そうした場合には、再度ガイダンスを流したり、「その他」に振り分けることでオペレーターにつながるようにします。もしくは複数回同じ状況が繰り返されると、切断ガイダンスを流して切るといったフローも想定しておくとよいでしょう。


さて、ここまでコールフロー図について説明してきました。時間外の対応や待ち呼の数、IVRの配置などオペレーターにつながるまでの各要素を設定しておくことで、コストと顧客満足度のバランスを見ながら効率的にセンターを運営することが可能になります。適切なコールフローの設定は、コンタクトセンターに対する顧客満足度を向上させる意味でも、大変重要です。是非このような考え方を踏まえて、コールフローを作成していただければと思います。

最後に、ビーウィズのクラウドPBX「オムニアリンク」を紹介します。オムニアリンクには、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使って簡単にコールフロー図を作成できる機能も搭載しています。
Omnia LINKの機能アイコン例
<Omnia LINKの機能アイコン例>
このように視覚的にアイコンを繋ぐだけでコールフローを設定できると、急な運用変更にもすぐに対応できますし、フロー改善の見直しサイクルも短縮化できるメリットがあります。

オムニアリンクのコールフロー作成機能にご興味があれば、お問い合わせやご質問など、お気軽にお寄せください。

[最終更新:2023年12月1日]
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