一般家庭のような「電話機が1個から数個程度しか使用しない施設」においては、PBX(Private Branch eXchange、構内交換機)は不要です。しかし、オフィスやコールセンターのように大量の電話機を使用する施設では、PBXを導入して複数の電話の交通整理を行わなければなりません。
なお、PBXを導入するのであれば、「オンプレミス型」よりも、機器の購入やメンテナンスの必要がなく、コストを抑えられる「クラウド型」(クラウドPBX)を選ぶべきです。本記事では、クラウドPBXの導入を検討している企業の担当者に向けて、料金やメリットについて徹底解説します。
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クラウドPBXとは、クラウドサーバー上でPBXの機能を提供するサービスのこと。インターネットに接続できる環境と、パソコン・スマートフォン・タブレット端末などの電子機器があれば、いつでもどこからでも利用できることが魅力です。
オンプレミス型PBXの場合、社内に物理的な機器を設置しなければならないため、イニシャルコストが割高になり、導入後も保守点検・メンテナンスに多大なコストを費やす必要があります。しかし、クラウドPBXなら、自社の構内に物理的な装置を設置する必要がなく、初期費用やランニングコストを抑えられるので、導入を検討してはいかがでしょうか。
また、オンプレミス型PBXの場合、オフィスに出社しなければ業務を遂行できませんが、クラウドPBXの場合、インターネットに接続できる環境があれば、場所を問わずにどこからでも利用することが可能です。そのため、自宅からでもコールセンター業務を遂行できます。「コスト面」だけではなく、「多様な働き方の実現」という観点からも、ぜひ導入をご検討ください
クラウドPBXの導入費用・利用料金の内訳
業者・サービスを選ぶ際には、導入時にかかる「初期費用」と、導入後にコンスタントに負担し続けなければならない「利用料金」の2つをチェックしましょう。以下、それぞれについて詳しく説明します。
なお、近年さまざまな業者がクラウドPBXのサービスを提供していますが、業者ごとに料金体系が異なることにご留意ください。詳細については、各業者の公式サイトなどを確認しましょう。
クラウドPBX導入時に発生する「初期費用」
導入時に発生する初期費用は、主に以下の2種類です。なお、細かく分けずトータルで料金を提示している業者もあるので、よく確認しましょう。また、費用の名称は、業者によって異なる場合があります。
• 登録料(サーバー設定費用)、事務手数料など
• 電話機(ハードフォン)、ヘッドセット、ネットワーク機器など、ハードウェアの購入費用
初期費用は、10,000円~50,000円程度が相場です。業者によっては、これよりも割高なことがあります。ただし、その分さまざまな機能・サービスが充実している場合があるので、価格だけで選定するのはおすすめできません。機能やサービス、セキュリティなども踏まえて、総合的に判断しましょう。
なお、クラウドPBXの場合、専用の電話機(ハードフォン)を購入しなくても、既存のパソコンやスマートフォン、タブレット機器で通話を行うことが可能です。デジタルデバイスが余っている場合は、新たに機器を購入しなくても良いでしょう。ほかの業務に回す端末が足りなくなってしまう場合は、専用の電話機(ハードフォン)を購入することも選択肢のひとつです。
クラウドPBX導入後に負担し続けることになる「利用料金」
以下は、導入後に継続的に負担することになるランニングコスト(利用料金)の例です。
• 基本料金
• 席数(ライセンス数)によって増減する料金(名称は「使用料」など)
• オプションサービス利用料
業者によっては、種類・名称が異なる場合があり、これら以外の料金が発生する可能性があることにご留意ください。「どの機能が標準搭載され、どの機能がオプションになっているのか」も業者によって異なります。詳細については、各業者の公式サイトをご確認ください。分からない場合は、問い合わせフォームや電話などで質問しましょう。
ちなみに、基本料金の相場は、1回線あたり月額1,000円~3,000円程度です。ただし、独自機能を標準搭載している場合もあるため、単純に比較することはできません。
なお、「コストを削減するために、オプションサービスを利用しない」という考え方ではなく、自社にとって必要な機能であれば積極的に利用することをおすすめします。生産性が向上し、少ない人数で電話応対業務・コールセンター業務を回せるようになれば、人件費を低減できる場合があることを認識しておきましょう。
クラウドPBXを導入すれば、「各従業員向けの端末の購入費」「PBXの購入・設置費用やメンテナンスに要するコスト」「内線通話料」を削減することが可能になります。以下、それぞれについて詳しく説明するので、導入する際の参考にしてください。
「BYOD」で端末購入費を削減
BYODとは、「Bring your own device」の略であり、従業員が私有しているデジタルデバイス(パソコンやスマートフォン、タブレット端末など)を業務で利用することを意味します。
クラウドPBXの場合、インターネットにアクセスできる環境があれば、機器を問わずに利用することが可能です。そのため、従業員が保有するデジタルデバイスを内線化すれば、会社が従業員向けの端末を購入・支給せずに済み、コストを抑えられることを覚えておきましょう。
なお、メリットがあるのは、企業の側だけではありません。従業員側にとっても、「出張などの際に、プライベート用の端末と仕事用の端末を両方持ち歩く必要がなくなる」「使い慣れた機器で業務ができる」といった利点があるので、ぜひBYODの実施をご検討ください。
ただし、私物のデジタル機器は「コンピューター・ウイルスに感染する」「不正アクセスされる」といったリスクがあります。そのような事態も想定し、セキュリティ面での対策(「セキュリティソフトをインストールする」「VPN接続する」など)を講じた上で活用しましょう。
機器の購入やメンテナンスに要するコストを削減
オンプレミス型のPBXの場合、自社で機器を保有することになるため、初期費用が大きくなる傾向があります。また、定期的なメンテナンス・保守管理にもコストがかかることにご留意ください。なお、事業の拡大・見直しなどに伴い、事務所を新規開設・移転する際にも設置工事が必要であり、クラウドPBXに比べてコストが割高になります。
クラウドPBXなら、インターネットに接続できる環境さえ整えれば、物理的な機器を購入したり、設置したりする必要がありません。そのため、イニシャルコストを低減できます。金銭的コストだけではなく、時間的コストや、人的コスト(メンテナンス・保守管理を担当する人員の確保など)の面でも、クラウドPBXの方が有利です。オンプレミス型のように機器類の設置工事に要する時間を削減できるので、「なるべく早く業務を開始したい」という場合は、クラウドPBXをお選びください。
クラウドPBXなら、どこからでも内線通話が無料になる
クラウドPBXなら、インターネット環境とデジタルデバイスさえあれば、全国どこにいても内線通話が全て無料になります。地方に在住してリモートワークをしている従業員や、出張している従業員とも、クラウドPBXなら無料で通話が可能です。
リモートワークをしている従業員が多い企業や、従業員の出張が多い企業、さまざまな場所に拠点を有する企業は、通信費の大幅な削減を期待できるので、クラウドBPXの導入を検討してはいかがでしょうか。
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クラウドPBXを選ぶ際には、利用料金だけではなく、機能・サービスもチェックしよう
クラウドPBXを選ぶ際には、「利用料金」だけではなく、「提供される機能やサービスの内容」もチェックしてください。
大切なのは、「業務が効率化されるか」「生産性が向上されるか」といった観点で、内容を精査すること。「料金が安ければ、それで良い」という考え方は危険です。「安かろう悪かろう」という慣用句がありますが、相応の対価を支払わなければ、優れたサービスを利用することはできません。
機能・サービス、セキュリティなど、コスト以外の要素も勘案して、自社に適したクラウドPBXを選びましょう。
おすすめのクラウドPBXはビーウィズの「オムニアリンク」
おすすめのクラウドPBXは、ビーウィズの「オムニアリンク(Omnia LINK)」です。まず、初期費用および月額費用を示します。
• 初期費用:300,000円~
• 月額費用:基本料金100,000円~、Omnia LINK使用料9,000円/席
上記初期費用に、「ハードフォン」「ヘッドセット」「お客様の社内ネットワーク機器」「お客様の館内での工事費用」などは含まれません。
また、別途、「専用線(閉域網)の利用料」が発生するほか、利用する回線種別によって利用料金が変動します。そのほか、上記月額費用に「オプション機能の料金」は含まれていないので、詳細については公式サイトから「価格表」をダウンロードしてご確認ください。
ちなみに、ライセンス数は1ヶ月単位で変更することが可能です。繁忙期にはライセンス数を増やし、閑散期には減らすことによって、コストを賢く調整し、無駄を削減してはいかがでしょうか。
なお、オムニアリンクを導入すれば、以下に示す多彩な機能を利用できます。
• 音声認識システム
• キーワードアラート機能
• seekassist(シークアシスト)
• VPN接続
• CTI連携
オムニアリンクには優れた音声認識システムが搭載されており、リアルタイムで音声通話の内容をテキストに変換・表示してくれるため、SVが同時に複数のオペレーターをフォローすることが可能です。コールログも手で入力する必要がなく、テキストのコピー&ペーストを行うだけで、簡単かつスピーディに作成できます。オペレーターの生産性が大きく向上するので、ぜひご活用ください。
そして、キーワードアラート機能もあり、クレームにつながる「ネガティブワード」や、契約につながる「ポジティブワード」を事前に登録しておけば、自動的に発見してアラートを表示してくれます。解約やクレームの減少、受注率の向上に役立てましょう。
使いやすさにこだわったコールセンター専用のAI-FAQ「seekassist」も魅力です。対話内容に応じてリアルタイムで最適なFAQ候補が自動表示されるため、オペレーターが検索ワードを手で入力する必要がなくなります。生産性や対応品質の向上、ベテランと新人の経験の差を縮めるために利用してはいかがでしょうか。
VPN接続により、セキュアかつ迅速に、在宅でコールセンター業務に従事する環境を構築できることもメリットと言えるでしょう。新型コロナウイルス感染症の流行が続く中、持病のある従業員は「オフィスに出勤するのが不安」と感じているかもしれません。オムニアリンクを導入すれば、オペレーターにとって安心・安全な労働環境を提供でき、人材の定着率の向上(離職率の減少)を実現できます。
そのほか、さまざまな外部CRMとCTI連携させることも可能です。連携実績のあるCRMの例を以下に示します。
• Salesforce(セールスフォース・ドットコム社)
• kintone(サイボウズ社)
• zendesk(Zendesk社)
• T-SQUAREx(東芝デジタルソリューションズ社)
• inspirX(バーチャレクス・コンサルティング社)
これらを利用している企業は、すでに蓄積している顧客情報とスムーズに連携できるので、お気軽にご相談ください。「特に利用しているCRMがない」という場合は、オムニアリンク専用のCRMもご利用いただけます。アウトバウンドにもおすすめの標準CRM「アレンジデスク」(無料)と、インバウンド向けCRM「ボウライン」(オプション)の2種類があるので、自社に適したものをお選びください。