ここからは一般的なコールセンターシステムが保有している機能について、一つずつ見ていきます。
また、
当コラムにはコールセンターシステムの各機能を詳細に解説した記事を多く掲載しています。関連記事のリンクも合わせて掲載していますので、より理解を深めるためにぜひご活用ください。
PBX(Private Branch Exchange)
PBXとは「呼(コール)」を適切に振り分けるための交換装置であり、日本語では「構内交換機」とも呼ばれます。
一般家庭とは異なり、コールセンターでは数百台以上の電話機を使用するケースも珍しくありません。そのため、従業員同士の内線通話を行う場合や、外部からかかってきた複数の電話を各オペレーターにつないだり、外部に電話を発信したりする場合に「交通整理」が必要になります。
その役割を担っているのがPBXです。
なお、コールセンターシステムに言及する記事でよく出てくる「IVR(自動音声応答)」や「ACD(自動着信分配)」といった機能は、PBXに内包されていることが多いです。
PBXは「呼(コール)」を適切に振り分けるためのシステムを指し、「呼(コール)」を振り分けるためのPBXの具体的な機能が「ACD(自動着信分配)」や「IVR(自動音声応答)」である...とイメージしておくとわかりやすいでしょう。
PBXについては、下記の記事で詳しく解説しています。
ビジュアルを用いてわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
CTI(Computer Telephony Integration)
CTIとは、コンピューターと電話を統合することで、コールセンターの運営に役立つ機能を実現し、オペレーターを支援する仕組みです。
お客様からの問い合わせがあった際に、その都度、お客様から電話番号を聞いて顧客名簿から過去の対応履歴を確認して...という作業が発生していては、オペレーターとお客様双方の負担が増えてしまいます。
そんな時にCTIを活用すると「PBXから電話番号情報を自動で取得し、CRMに保存してあるお客様の応対履歴を自動でポップアップさせる」といった動作が可能になります。
上記の活用方法はほんの一例に過ぎませんが、このような仕組みがあれば、オペレーターの負荷を減らすとともに、お客様側も余計な待ち時間なくオペレーターの対応を受けることが可能になるでしょう。
また、コンピューターと電話を統合することで「テキスト化した応対内容を自動でCRMに取り込む」「録音した応対を、お客様情報と紐づけて保存しておく」といった、応対の後処理の効率化につながる仕組みを構築することも可能になります。
CTIについての詳しい解説は、下記の記事を参考にしてください。
CRM(Customer Relationship Management)
CRMとは、顧客情報を管理するシステム(顧客関係管理システム)です。昨今では機能が拡張されており、通話相手の属性や、やり取りの履歴などを記録して一元的に管理したり、検索したりすることが可能になっています。
先ほどのCTIと合わせて活用することで、お客様情報と紐づけたデータ管理ができるようになり、応対そのものの質向上や応対履歴の記録をはじめとした後処理の効率化など、コールセンターの価値向上に大きく貢献してくれます。
CTIによる連携・制御により、CRMは、コールセンターシステムにおいて重要な役割を果たしていることを認識しておきましょう。
電話とCRMの連携をはじめとした各種システム連携については、下記の記事で詳しく解説しています。
チャットボット
近年、コールセンター業界ではオペレーターの負荷削減やお客様の顧客体験向上のために、人による電話対応を介さない応対に関心が集まっています。
その一手として捉えられているのが「チャットボット」です。
チャットボットでは、お客様からよく出てくる問い合わせ内容をあらかじめ登録しておき、お客様に該当する内容を選択してもらう形式となっていることが一般的です。それらの問い合わせに対する回答も合わせて登録しておき、自動でお客様に対して回答を提示します。
このような応対フローとすることで、オペレーターとのやり取りを発生させずにお客様の課題解決を実現することができ、オペレーターの負荷削減や課題解決までの時間短縮などにつなげることができます。
また昨今では、生成AIを活用したチャットボットも登場しています。お客様の入力内容をAIが柔軟に把握し、回答を返すことができるようになっていますので、最新のツールもぜひチェックしてみましょう。
当社ビーウィズでは、Tetory(テトリー)というAIを活用したチャットボットツールの開発・販売も行っています。詳しくは下記のページをご参考ください。
>>Tetory(テトリー)-AIと人で顧客応対を次のステージへ導く
FAQシステム
FAQを有効活用するためのシステムもコールセンターでは重要な役割を果たしています。
コールセンターのオペレーターは、すべてのオペレーターが完璧なスキルを身に着けているわけではありません。入社年次や業界経験によって、個々人のスキルには差が生じてしまうことが一般的です。
このような状態では、各オペレーターのスキル差をいかに埋めて、応対品質を一定に保つかということが重要なテーマとなるでしょう。
その時に活用したいのが、FAQシステムです。
FAQシステムの仕組みは様々ですが、一例として「応対内容に応じて、FAQを自動でレコメンドしてくれるシステム」があげられます。
事前にFAQシステムによくある質問と回答を登録しておくと、応対内容に沿ってシステムが必要なFAQを自動でレコメンドしてくれます。オペレーターがレコメンドされたFAQを見ながら対応することで、保留率を削減しスムーズな顧客体験を実現できます。
FAQの活用イメージについては、下記のページで解説しています。