一般家庭用の電話機は、ビジネスフォンやPBXに比べて、搭載されている機能が限定されています。一定以上の従業員を擁する企業を経営している場合は、ビジネスフォンやPBXの導入を検討しましょう。
本記事では、事業を営んでいる方に向けて、まず「ビジネスフォンがどのようなものなのか」や「一般的な電話機との違い」「PBXとの違い」について詳しく解説します。そのうえで、ビジネスフォンやPBXの主な機能もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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「ビジネスフォン」とは?
ビジネスフォンとは、「主装置」と「複数の端末(電話機)」から構成される電話システムのこと。システムによって異なりますが、一般的に数百台くらいまで対応可能です。
なお、主装置とは、外線と内線、あるいは、内線同士の通信を制御する装置(ハードウェア)を指します。
一般的な電話機との違い
一般的な家庭用電話では、1つの電話番号に対応した電話機は1台です。家庭用の電話を複数設置しても、主装置が存在しないため、オフィス内の電話機同士の制御を行えません。そのため、担当者は着信があるたびに、電話機が設置されている部署・席まで移動する必要があります。
ビジネスフォンなら、主装置を介して無料で内線通話を行ったり、外部から代表番号にかかってきた電話を各部署に振り分けたり(「営業部」「企画部」「経理部」といった部署の電話機につないだり)できることを覚えておきましょう。
PBXとの違い
PBXでも、ビジネスフォンと同様に、複数の電話(内線や外線)の制御が可能です。ビジネスフォンとPBXの主な違いは「対応可能な台数」であり、業者によって違いはあるものの、一般的にビジネスフォンの場合は「数十台~数百台程度」であるのに対し、PBXでは「数千台」まで接続できます。
また、ビジネスフォンの場合、1施設内(1拠点内)での利用に限られることにもご留意ください。PBXの場合、複数の拠点間での内線通話も可能です。
そのほか、後述するように、PBXは「コンピューターとの連携(CTI連携)」が可能ですが、基本的にビジネスフォンはCTI連携に対応していないことも覚えておきましょう。
ビジネスフォンの主な機能・仕組みは「外部との発着信の制御」「内線同士での無料通話」「転送」「代表電話番号による発着信」「ダイヤルイン」の5つです。以下、それぞれについて詳しく説明します。
外部との発着信の制御
ビジネスフォンでは、一般の家庭用電話機と異なり、「どの電話機に対して、どの電話番号での受発信を行わせるか」を制御することが可能です。
例えば、「営業部では営業部専用の電話番号で発着信をさせる」「経理部では経理部専用の電話番号で発着信をさせる」「問い合わせ窓口では問い合わせ窓口専用の電話番号で発着信をさせる」といった設定を行えることを覚えておきましょう。
内線同士での無料通話
ビジネスフォンを導入すれば、内線同士なら「無料」で通話を行うことが可能になります。一般的な電話機でやり取りをしていると、1回あたりの通話料が僅少であっても、積もり積もって大きな金額になることにご注意ください。
同じフロア内であれば、直接、話したい相手の席に出向いて会話することも可能ですが、別フロアの場合、何度も往復するのは困難でしょう。さまざまな部署の人員と頻繁に会話をする必要があるならば、一般的な電話機ではなく、ビジネスフォンを導入するべきです。
転送
主装置を介して転送を行えることも、ビジネスフォンの代表的な機能です。なお、以下に示すように、「内線転送」と「外線転送」の2種類に大別されることを覚えておきましょう。
• 内線転送:外線からの着信があった際に、内線を通じて対象の部署・人員に転送する機能
• 外線転送:外線からの着信があった場合に、外出中の人員の携帯電話などに転送する機能
担当者に転送することで伝言ミスを防止でき、外出中の従業員に取り次ぐことで顧客や取引先を待たせずに済み、ビジネスをスムーズに進めることが可能になります。
代表電話番号による発着信
ビジネスフォンには、複数の電話機で同時に代表電話番号での発着信を行える「代表組」と呼ばれる機能もあります。
一般の家庭用電話機の場合、代表電話番号に電話がかかっている間は、別の電話がかってきても「通話中」になってしまうため、会話を行えません。複数の家庭用電話機を用意しても、それぞれの電話番号を顧客や取引先に伝えなければならないことにご留意ください。
代表組には「ある電話機が使用中であっても、別の空いている電話機によって着信できる」「顧客や取引先に伝える電話番号が1つで済む」という利点があるので、ぜひご活用ください。
ダイヤルイン
ダイヤルインとは、1つの電話回線に複数の電話番号を追加できる仕組みです。少額の追加料金を支払うことで、営業・物流・経理・人事など、部署ごとに独自の直通番号を付与することが可能になります。
目的に応じて手軽に電話番号を増やせるので、業務を効率化するためにダイヤルインを活用しましょう。なお、電話回線に紐付いている番号は「契約番号」、紐付いていない番号は「追加番号」と呼ばれます。
PBX特有の機能・仕組み
PBXの場合、上述したビジネスフォンの機能に加えて、以下に示す機能・仕組みも利用できます。
CTI連携
CTI(Computer Telephony Integration)とは、コンピューターシステムと電話システムを統合する仕組みです。例えば、CTIによってCRM(顧客関係管理)システムと電話を連携しておけば、電話がかかってきた際に、顧客の氏名・住所・年齢・性別といった属性情報や、過去の応対履歴が画面上に自動表示されます。
しかし、CTIによる連携が行われていなければ、毎回、かかってきた電話番号をオペレーターが手で入力し、データベース上で検索しなければ「電話をかけてきた人物の属性」や「過去に、どのような応対をしたのか」を把握できません。
これでは、業務が非効率になってしまうでしょう。また、顧客の待ち時間が長くなり、ビジネスチャンスを逃してしまうことになりかねません。スムーズな対応を可能にし、生産性や顧客満足度を向上させるためにはCTI連携が不可欠です。
ちなみに、ビーウィズの「オムニアリンク(Omnia LINK)」の場合も複数のCRMシステムとの連携実績があります。
どのようなCRMシステムと連携できるのかはPBXによって異なるので、各業者の公式サイトで詳細をご確認ください。
クラウドPBXなら、さらに便利な機能を利用できる
ビジネスフォンの場合、同じオフィス内でしか内線通話を行えませんが、クラウドPBXなら複数の拠点間や、オフィスと従業員の自宅を内線で接続できます。
自宅や出張先で、インターネットに接続できる環境とパソコンなどがあれば、会社の電話番号で発着信を行えることも魅力です。「多様な働き方」を推進して、人材の定着率を向上させる(離職率を低下させる)ために、クラウドPBXの導入を検討してはいかがでしょうか。
また、クラウドPBXなら、専用の電話機を用意しなくても、パソコンとヘッドセットで通話を行えます。そのため、セキュリティ対策を講じたうえでBYOD(Bring Your Own Device、従業員のプライベート端末を業務に使用すること)が可能なことも魅力です。
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上述したように、ビジネスフォンは、PBXに比べて対応可能な台数が小さい傾向があることにご注意ください。一定以上の規模のオフィスやコールセンターであれば、ビジネスフォンよりもPBXを選択するべきです。
なお、これからPBXを導入するのであれば、オンプレミス型ではなく、「クラウドPBX」を選ぶほうが良いでしょう。クラウドPBXの場合、自社の構内に機器を設置しないため、導入コストやメンテナンスに要するコストを削減できます。また、サービスを提供する業者側でアップデート作業が行われるため、手間なく最新の機能を利用できることもクラウドPBXの魅力です。
最近、日本政府も「クラウド・バイ・デフォルト原則」を掲げ、政府情報システムを選定する際、クラウドサービスを第一候補にする時代になりました。2022年度は、ガバメントクラウドとして以下の4サービスが選定されています。
• Amazon Web Services
• Google Cloud Platform
• Microsoft Azure
• Oracle Cloud Infrastructure
ちなみに、アメリカ政府でもクラウドサービス(「連邦政府向け AWS クラウドコンピューティング」)が利用されていることを覚えておきましょう。このように世界各国の政府もクラウド化に舵を切っている時代なので、民間企業もオンプレミス型にこだわらず、クラウドPBXなどの各種クラウドサービスの導入をご検討ください。
クラウドPBXの「オムニアリンク」には、さまざまな魅力がある
おすすめのクラウドPBXは、ビーウィズの「オムニアリンク(Omnia LINK)」です。インターネットに接続できる環境があれば、従業員の自宅や出張先など、どこからでも利用できます。VPN接続により、在宅でコールセンター業務を遂行する体制を安全かつ迅速に構築できるので、導入を検討してはいかがでしょうか。
10席以上での利用を推奨しているものの、ライセンス数に制限がなく、小規模なオフィスでも導入することが可能です。ライセンス数は1ヶ月単位で増減できるので、業務の繁閑に合わせて調整することで、運用コストを低減できます。
ちなみに、オムニアリンクには高性能な音声認識システムが標準搭載されており、リアルタイムで通話内容がテキスト化されて自動的に表示されるため、SVが同時に複数のオペレーターをフォローすることが可能です。オペレーターは手入力でメモ(ログ)を作成する必要がありません。
また、クレームにつながる「ネガティブワード」や、契約につながる「ポジティブワード」を発見してアラートを出す「キーワードアラート機能」も、SVが的確なフォロー行うためにご活用ください。
そのほか、迅速にフォロー対話内容に合わせてFAQや関連情報(商品情報、店舗住所、キャンペーン内容、クロスセル商品など)を表示するAI-FAQ「seekassist(シークアシスト)」も魅力です。
まずは各種資料をダウンロード・閲覧したうえで、不明な点があれば、問い合わせフォームや電話にてお気軽にご質問・ご相談ください。