気になるを解決! お役立ちコラム

【7コールめ】研修中はちょっとやそっとじゃ休まない方がよいと痛感した日

化粧品のコールセンターで勤務する事になった私。いよいよ研修が本格的に始まった。研修期間中に気を付けた方がいいと骨身に染みた事と言えば。。。

アイスブレイクで和んだ雰囲気の中でいよいよ始まった研修。まずは勤務する化粧品コールセンターの企業概要や企業理念、コールセンターのポリシーなどのレクチャーからスタートした。普段、薬局やコンビニでよく見かけた化粧品に、そんな誕生秘話や想いが秘められていたとは。。。感心しながら聞き入っていたら、あっと言う間に時間が過ぎていた。

続いて、商品研修。最初にざっとラインナップを紹介されたのだけど、メイク落としに洗顔、化粧水、乳液、美容液、オールインワンジェル、日焼け止めに、各種メイク用品、さらにはサプリメントまで。敏感肌用のラインやリフトアップ用のラインなどもあるから、商品は全部で50種類以上はあった。みんながみんな一瞬、ウッとなって青ざめたけど、その後に研修室は歓喜に包まれた。

商品の特徴や成分の説明を受けた後に、実際に商品を手に取ってテクスチャーや香りなどを試す事が出来たのだ。お客さんから使用感や香りについて質問をされる事も多いらしく、その時に使った時の感想や使用感をリアルに伝えてほしいという事で、商品1つ1つを実際に手に取る時間を長めに取ってくれた。

参加している研修生は多かれ少なかれみんな化粧品好き。実際に商品を試す事が出来て、しかも研修講師から詳しい説明を聞く事が出来るなんてめったにない機会だ。研修である事を忘れて「これは肌馴染みがいい」「すごくいい香りがする」「帰りに買って帰ろう」など、そこそこ大きめの歓声が上がって、何度か講師の子安SVにたしなめられてしまった。

クライマックスは一連の流れの実地体験。洗面所で実際にメイクを落として、その上から基礎化粧品をつけてメイクをする流れを体感するものだ。普段あまり縁がないお高めの化粧品をラインで使えるからみんな浮足立った。

でも、人前ですっぴんになるのってやっぱり抵抗がある。。。自分のすっぴんを見られないように、そして他の人のすっぴんを見ないように、前にある洗面台と鏡だけを凝視して一気にメイクを落とす。でも、見てはいけないものほど見たくなるのも人間だ。横でメイクを落とす同期の戸部さんをチラ見していたら、戸部さんもこっちをチラ見して、鏡越しに目が合った。ものすごく気まずかったけど、二人とも思わず噴き出してしまった。

そこからはもう無礼講。洗顔フォームの泡立ちの良さ、化粧水や乳液の肌馴染みの良さをキャッキャッしながら楽しんだ。いや、真剣に研修を受講した。それだけ研修に没入していたようで、商品研修の2日間はあっと言う間に終わった。

その後の1日は業務の知識研修。電話で注文を受け付けて、商品が配送されてお客様の手元に届くまでの流れを理解して、各種キャンペーンや、お届けする際の配送料、定期的にお届けするサブスク型のサービスや商品の返品の受け付け方等々。この辺になると、化粧品からはだいぶ遠ざかってくるので、ついていくのがやっと。ぶっちゃけ、定期的に襲ってくる睡魔とも戦いながらなんとか乗り切った。

その後に待っていたのは知識確認の筆記テスト。前半の山場だ。研修で学んだ企業理念や商品に含まれている成分の名前、商品をお届けする際のルールやサービスの概要等、全100問の筆記テスト。時間はたっぷり60分。合格点は80点以上。完全にガチのやつだ。こんな本格的なテストを受験するなんて何年ぶりだろう。

研修初日に後日確認テストをすると聞いていたから、自習時間は研修資料を読み返して暗記したし、同期の戸部さんとは一問一答のクイズ形式で問題を出し合って必死で覚えた。そのせいか、ハイドロキノンやアスタキサンチン、バクチオール等、成分の名前は何度も夢に出てきたし、通勤電車でうたた寝した時には危うく「グリチルリチン酸ジカリウム」と寝言を言いそうになってさすがに焦った。でも、そのかいあってテスト88点で無事に合格。好きこそ物の上手なれ。やっぱり化粧品のコールセンターを選んで正解だった。

そう思ったのも束の間、私にとっての試練はこの後にやってきた。4日目から実際に注文を受け付けたり、商品や配送日を変更するためのシステム研修が始まった。パソコンの中に入った専用のシステムを起ち上げて、自分のIDとパスワードを入力してログインする。ここまではいいのだけど、元々、機械やパソコンに疎い私にとっては苦行だ。

講師の子安SVが大きな画面で操作方法を説明して、それに倣って手元のパソコンで同じ操作をする。操作自体は決して難しくないし、手元にマニュアルもあるから、ゆっくり落ち着いてやれば問題ないのだけど、同期の研修生がすいすい進んでいく中、焦りが先立ってなかなか上手く進まない私。焦れば焦るほど置いていかれる泥沼劇。研修は私が操作を終わるのをみんなが待つという場面も出てきてしまい、申し訳ない気持ちでシステム研修の1日目が終わった。

帰り際に子安SVから「慣れたら簡単だから頑張ろう」と励まされたけど、帰り道はシステムを操作する残像と取り残された自分をみんなが待っている光景が何度もフラッシュバックして足取りはこの上なく重い。沈んだ気持ちのまま帰宅すると、ご飯もほとんど喉を通らず、早めに布団に入った。

夜中に何度か目が覚めて、浅い睡眠のまま、気が付いたら起床のアラーム。寝不足で身体が重い。それ以上に心が重い。布団から出られず、あと5分、もう5分とアラームを延長していたら、もう30分が経っていた。ダッシュで準備すれば間に合うけど、もうその気力はない。今日1日休んでリフレッシュしたら、もしかしたら明日はスムーズに操作出来るかもしれない。冷静に考えたら、「そんなわけ」なんだけど、この日は悪魔のささやきに負けた。心を決めて欠勤の連絡をする事にした。

研修が始まる20分前に連絡先に電話すると子安SVが出た。さすがに「気力がないから休む」とは言えないので、「昨日の夜から身体がだるくて微熱があるから休みたい」と伝えた。怒られたり、頑張って来るように促されたりするのかなと緊張したけど、子安SVは「大丈夫?慣れない仕事だったから疲れが出たのかもね。今日はゆっくり休んで明日からまた頑張ろう」とあっさり許可してくれた。

嫌な顔(電話だから嫌な声か)一つ見せない清々しすぎる神対応。休むことができて良かったという安堵と共に、こんな事で休んでしまって、子安SVに対する申し訳ない気持ちが混ざり合って、なんとも言えない後味の悪さ。やっぱり頑張って出勤すればよかったかな。そんな罪悪感に陥りながら、布団の中からワイドショーを見ていたら、気が付いたら結局昼過ぎまで寝ていた。

その後は、相棒の再放送を見たり、ニュース番組内のグルメ特集を見てダラっと過ごしてしまい、気が付いたらもう夜だ。安堵の時間は終わり、暗くなった部屋で明日出勤する事を考えると、昨日以上に気分は憂鬱。いろんな事を妄想してしまう。受講しなかった今日の研修は一人だけで受けるのだろうか。その時は別部屋に誘導されるのか。そもそも、1日休んで操作がスムーズになるわけもなく、同期との差がますます広がっているだろう。まずい、眠れない。2日連続の浅い眠りのまま、またしても目覚ましのアラームで目が覚めた。

身体も気持ちも昨日とは比べ物にならないくらいだるくて重い。このまま毛布にくるまって籠城しようかと思ったけど、それだと生活が苦しくなるし、また仕事を探すのも大変だ。嫌で嫌で仕方なかったけど、全ての気力を振り絞って布団から起き上がって準備を始めた。家を出て、カギを閉めて、駅まで行って、電車に乗る。その全ての行動がとにかく憂鬱だったのは言うまでもない。引き返そうか本気で何度も悩んだけど、今日行かなかったら一生行けないと思い直して、どうにかこうにか会社に到着。鉛のように重たい足で研修室へと入った。

研修室に入ると、同期の戸部さんや杉田さんが「大丈夫?」と声をかけて集まってきてくれた。休んだことでよそよそしい雰囲気に包まれるかと思ったかど、そんな事はなくて逆に温かかった。時間になって入ってきた子安SVも「もう大丈夫?心配したよ」と優しく気遣ってきれて、ホッとしたのと同時に気軽に休んでしまった罪悪感がまた蘇ってきた。

不安だった休んだ分の研修についてもすぐに解決。研修の冒頭で昨日の振り返りをするので、そこで流れを掴んで、途中で取る自習・復習時間を使って子安SVがマンツーマンでレクチャーしてくれることになった。ありがたいやら申し訳ないやら。ふがいないやいや。研修は絶対に休んじゃダメだと骨身に染みた。

そんな中で始まったマンツーマン研修。これ以上迷惑をかけられないのでこれまでと緊張感が違う。限られた時間の中で1分1秒も無駄にできないから、説明の一言一句に集中して、苦手な操作も岩に噛り付くように必死で覚えた。背水の陣ってこういう事を言うんだと痛感した。人間、追い込まれると実力以上の力が出るようで、短時間の研修でも休んだ分を何とか追いつく事が出来た。安堵と脱力。

研修の終わりに子安SVに聞いたら、研修中に休んでしまい、それをきっかけに退職してしまうケースは意外とあるらしい。続けて「何の仕事でもそうだけど、最初は上手く出来ないし、覚える速度には個人差があるから、ちょっと上手くいかなくても気にしなくていいんだけどね」という子安SVのつぶやきが妙に心に刺さった。本当にその通りだ。

緊張から解放された帰り道は疲労困憊。ふらつきながら家に帰ると、前日の寝不足も相まって、布団に入って泥のように眠った。そして眠りに落ちながら、研修中にもう休まないと心に誓った。明日も研修頑張ろう。

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